ハーメルン
異世界で 上前はねて 生きていく (詠み人知らず)
第38話 責任と 楽しいことは 不釣り合い


ラーメン屋みたいになっちゃうか。



ぶらりと町を歩くと、以前よりもずいぶんと活気づいているように思える。

人も店も増え、人種も様々な子供達がボールを持って路地を走り回っている。

そういえば親父が大規模な製麺所を作って、麺食文化と共にシェンカーの乾麺を他の都市に輸出してるんだよな。

その関係もあって人が増えたのかもしれん。



「いよっ!坊っちゃんじゃないですか」



角を曲がると、酒売り屋台の前でエールを飲んでいる退役奴隷のロースに出くわした。

ロースは平然としているが、部下の子達が気まずそうに俺から酒を隠したりしている。

こいつ、給金全部酒に変えて奢ってんじゃないだろうな。

俺はとりあえずロースに手招きをして、いくらか小遣いをやった。



「こんなとこで飲んでないで酒場にいけよ」

「おっ、いいんですかい?おいお前ら!坊っちゃんが軍資金をくださった、酒場に行くぞー!」

「えっ!ありがとうございます!」

「あざまーす!」

「ありがとうございます!」



鎧を着た女達とロースは、口々に礼を言ってすぐ近くの酒場に吸い込まれていった。

うーん、酒かぁ。

なんだかんだと需要は大きいんだよな。

いっそ造魔で酒を作れないかなぁ。

いや、こうやって何でも自分で商売に繋げようとするから大変になっていくのか……

このままじゃ前世と同じように過労死してしまうぞ。

ほどほどにしておこう。

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