ハーメルン
人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築
10話 大切な記憶
季節も進んでいき、教会まで続く森の道も赤い落ち葉でいっぱいとなる。
今日は学校が早く終わったのか、随分と早く彼女が訪れてくれた。
「ねぇ尚紀。一緒に遊びに行きませんか?」
「……はぁ?」
今まで経験したことがないパターン。
教会の手伝いや魔女狩りぐらいでしか二人が付き合うことはなかったのだが。
「風見野市内の繁華街に美味しラーメン屋さんがあるんです。一緒に行きませんか?」
「俺は金なんて持ってねーぞ」
「私の奢りです。いつも魔女退治を手伝ってくれてますから、これはお礼です♪」
「児童養護施設でもお小遣い貰えるんだな…。だが、あまり多くはないんだろ?」
「佐倉先生には私から伝えておきますから、尚紀も準備してくださいね♪」
「お…おい、本気で行くのかよ!?」
何が彼女をあんなふうにしているのか彼には分からないが、成り行き上ついていく。
二人は自転車に乗って風見野市内に向かっていった。
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「繁華街に陽が登っている時間帯でお前と2人訪れるのは初めてだな…。買い物の用事か、魔女狩りで訪れるぐらいだったなぁ」
繁華街では風華と同じ制服を着た女子中学生も見かける。
「同じ学生服だな…。なぁ、俺と一緒に歩いてたらお前…変な噂が立つんじゃねーか?」
「変な噂って何ですか?」
「いや……何でも無い」
(そういう事を意識するタイプじゃないんだな…。でも、こうやって街に誰かと一緒に遊びに訪れる感覚は…久しぶりだよ)
勇と一緒に学校帰りにラーメンを食べにいった思い出が脳裏を過り、自然と微笑む。
先導されながら2人は繁華街のラーメン屋にたどり着く。
「老舗といった感じの見た目だな」
「地元の人から評判も良い店なんです、入りましょうか」
二人は暖簾をくぐり店に入っていく。
「いらっしゃい! 二名様ご来店!!」
威勢のいい店主の声で迎えられながら、周りを見渡す。
「客も随分多いようだ……評判通りのようだな」
「奥の席が丁度空くみたいです、あそこに座りましょう」
二人は席に案内され、向かい合うように座った。
「あまり沢山はやめてくださいね。私もお小遣い…あまり貰ってませんから」
「そういう情報を与えられると……申し訳ない気分で一杯になる」
「あまり気にしちゃ駄目です。今日はリフレッシュも兼ねてるんですからね」
彼はチャーシュー麺を、風華はネギラーメンを注文。
ほどなくして、二人の前に注文の品が届いた。
「思ったよりもボリュームのあるラーメンだ…。肉体労働者たちに贔屓にされてるわけだ」
二人はラーメンを食べ始めたようだが、味の方は?
「おっ…これはいけるな」
「でしょ?地元でも有名なラーメン屋さんなんです♪」
「スープはコッテリ系かと思ったが、意外にあっさりとして飲みやすいな」
「だから女性客も多いんですよ、この店」
「チャーシューも肉厚があるし、味が濃くて噛めば甘みが飛び出してくる。麺も絶妙な茹で加減だ」
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