ハーメルン
人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築
5話 風見野の魔法少女
土曜日。
教会は日曜日の礼拝のための準備に追われている。
子供や風見野住まいの外国人を対象にした礼拝の他に、ゴスペル礼拝を模様したりもするようだ。
佐倉牧師の妻は礼拝の後に信者達といっしょに行う食事、愛餐(あいさん)の準備を進めている。
「厳格な教会だと思ったが、カトリックとは違うんだな。随分ノリがいい牧師と信者の関係のようだ」
これが牧師と信者の上下関係が存在しないプロテスタント宗派のようだ。
彼は現在、佐倉牧師の妻に頼まれた食材の買い物に向かっていた。
かなりの量になりそうなのでメモは預かっている。
「力仕事は俺の得意分野だ。ええと……随分多いな?先ずは精肉コーナーから見て回るか」
風見野市内スーパーに買い物に行き、必要な食材や飲み物をカートいっぱいに買い込んでいく。
預かっているお金で精算を済ませ、品物をレジ袋に詰めていく。
両手は買い物袋でいっぱいになってしまったが、彼は何の負担も感じていない。
帰路につこうとした時、彼の表情が変わる。
「魔力を感じる…それも数体分だ」
魔力の出処へと歩みをすすめる。
「周りの魔力を探りながらボルテクス界を走り回った経験が役に立ったな。それでも背後から奇襲攻撃を仕掛けられたもんだ」
彼にとって魔力を感じた時は、戦いの始まりが近い意味を持っている。
人目につかないよう、複数の魔力の出処を探る。
(感じられる魔力の中には…風華もいるようだな?だとしたらこの魔力は、同じ魔法少女たちなのか?)
魔力を感じとれる場所はこの先の路地裏。
路地裏から声が聞こえた彼は身を隠し、様子を伺う。
「風実!どういうつもりよ!」
知っている人物の名前が出てきた。
風華が路地裏にいたのだが、3人の少女達に囲まれていた。
(俺が複数感じた魔力は……あいつらのものか)
魔法少女の魔力反応は、かつての悪魔や魔人とは違うようだ。
魔力パターンがあるのだろうかと考えていたが、状況が状況なので集中して現場を観察。
(あの3人が、風華が言っていた連中なんだろうな……)
「協定違反よ!なぜ私達の縄張りで魔女狩りを行ったわけ!?」
ブラウン色のボーイッシュなショートヘアーをした少女が風華に詰め寄る。
「仕方なかったんです!私が用事で近くにいて、魔女の結界に人間が攫われてしまったのを見つけたから!」
「それがどうしたっての!この縄張りは私達のものなんだから、あんたは関係ないじゃん!」
肩までかかるミディアムヘアーの黒髪少女が、風華にさらに詰め寄る。
「魔法少女は魔女を狩るのが使命でしょ?ボランティアや慈善事業じゃないわけよ」
セミロングヘアーのベージュ色の少女はあっさり言い切った。
(魔法少女は魔女を狩るだけの存在か…その方が生き残れる確率が上がるんだろうな)
「そんなに奉仕活動がやりたいなら、あんたの縄張りで私達のおこぼれ使い魔でも相手してりゃいいわけ♪」
風華を嘲笑う3人の魔法少女達。
(なるほど、こいつらに風華は良質な魔女狩り縄張りを独占されているということか)
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