デュラハン襲来5
振り向き光に照らされた事で、俺の腰を掴んでいた正体が現れる。
「えっちょっと待てよ⁉︎何でめぐみんが此処にいんの?」
動揺を何とか押さえつけながら思考を巡らせる。そもそもなぜ彼女がこんな所に居るのだろうか?まずはそこからって…駄目だ⁉︎全然考えがまとまんね‼︎。
取り敢えず逃げるのを辞めるとそれに呼応して彼女も手を離す。どうやら逃げなければ良い様だ。
取り敢えず一度深呼吸。そして情報分析だ、先程の赤い光はめぐみんのものだろう、前にゆんゆんが紅魔族は魔法を使うときや興奮した時に目が赤くなると言っていた事を思い出す。そして俺の布団の中で待っていた。
めぐみんを見ると恥ずかしいのか罰の悪そうな表情を浮かべてモジモジと何か言いたげに此方を見ていた。
「で、もう一度聞くが何してたんだ。と言うかどうやって俺の部屋に入ったんだ?」
そもそもまず彼女が俺の部屋にいる事が前提としておかしい。いくらこの世界の科学が遅れていたとしても、鍵はディンプルキーで無いにしろそこまでセキュリティーが落ちているとは思えない。解錠魔法があると聞いたが爆裂狂の彼女が覚えるとは思えない。
「鍵でしたら空いていましたよ」
ボソッと彼女が返答する。
マジか⁉︎そもそもの原因は俺だったか、そういえば朝急いでいて鍵を閉めたかどうかの記憶がねえ。
「まあ、それは良いとしてだ。何でめぐみんが此処に居るんだ?確かゆんゆんと一緒の部屋じゃ無かったのか?」
一文無しのめぐみんを暫くゆんゆんが面倒を見ると言うことで、側から見たら姉妹みたいな感じに生活していると受付のお姉さんが言っていた気がする。どちらが姉に見えるかは伏せておくとして。
「おい、今失礼なこと考えなかったか?」
俺の思考が読まれていたのか怪訝な表情で彼女は俺のことを見る。ゆんゆんと言い紅魔族は何でこう勘が鋭いのか。
「いや全く、ぜんぜんそんな事はカンガエテナイヨ」
「最後が棒読みになってるじゃないですか⁉︎やっぱり考えていたのですね⁉︎」
ガバッと彼女が布団から起き上がる。しかし布団は渡す気が無いのか今も尚彼女を覆っている。
「おい待て、話を逸らそうとするな。まず何故俺の部屋にいたのか説明してくれ」
話が脱線したので元に戻す。このまま有耶無耶にされたらたまったもんじゃ無い。此処は何としても真相を知らなくては。
「それはですね…」
詰め寄るが、彼女は何かを躊躇っているのか一向に話そうとしない、何か理由があるのだろうか?
「まあ言いたく無いなら良いさ、部屋に戻りたく無いのなら此処で寝ても良いぞ。俺は床で寝るから」
言いたく無いなら聞かない、彼女も13歳で前の世界なら丁度思春期に入る頃だから何か内に秘めていてもおかしくは無いはずだ。ならば此処は黙って彼女の要求を聞いてあげたほうが無難だろう。
壁とベットの隙間に挟まる様に横になる。明日首を寝違えないと良いけどな…
「え、ちょっと待って下さい。流石にカズマに床に寝て貰うのは悪いので……こっちに入ってください」
恥ずかしさが限界なのか最後の方は小声でボソボソと言うと。彼女は巻いていた布団を器用に広げて俺のスペースを作った。入れと言う事だろうか…
「え?ちょっと待て」
突然事態に再び混乱する。
一体俺の人生に何が起こっていやがる…。
産まれてからここ数年、一度もモテ期なんか来なかった俺の人生に変化が起きようとしているのか。いやこれはもしかして罠なんじゃ無いのか?入って更なる要求が出てきて乗せられて行った先にドッキリの札なんて物が⁉︎
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