ハーメルン
バカ達と双子と学園生活 Take2
11 証明手順

「……はい。これでお願いします」
「採点します」

 翌日の朝。僕は補充試験を受けていた。
 補充試験はルール上、基本的にはいつでも受ける事が可能だ。
 ただ、戦争中だと先生への呼び出しに強制力があるのに対して平時はそこまでの強制力は無い。
 昨日の戦争でも戦争前に高橋先生を呼び出して補充試験を受けたかったんだが……先生の都合が着かなかったので開戦後になっていた。
 あの時はほぼ全科目を受けないといけなかったからなぁ……
 今回は普通に単科目を補充すればいいので先生にそこまでこだわる必要は無い。昨日の戦争でフィールドの承認をしていた化学の五十嵐先生を見つけたので普通に補充試験を頼んだわけだ。

「……はい、採点終了です。相変わらず君は極端ですね」
「まぁ、それが僕の取り柄なんで」

 返却された回答用紙には400点と書かれている。
 これで今日の分の集中モード時間終了だ。後はもうゆっくりと休もう。

「相変わらず早いなお前」
「ん? ああ、雄二居たのか。おはよう」
「おはよう。さっき来た所だ」
「そうか……お前、補充する科目はあるか?」
「いや、無い。俺は結局1回も戦わなかったからな。
 それがどうかしたか?」
「試験の必要が無いならゆっくり話せると思ってな。
 対Aクラス戦の作戦、聞かせてくれないか?」
「……まあいいか。穴が無いかの確認もできる。
 場所を移す……までもないか。このクラスが一番安全だな」
「ああ」

 このクラスの主力の1人である土屋康太は『趣味は盗聴、特技は盗撮』というとんでもない奴だ。
 しかし、そういう特性があるからこそ防犯の知識もある。この教室にその類の機器を仕掛ける事はほぼ不可能だと思って良いだろう。

「というわけで、申し訳ありませんが先生はお帰り下さい」
「君達は本気でAクラスを目指しているのですね。
 会話の内容は後で実際に見せてもらいましょう。頑張って下さいね」



 先生も見送った所で話を再開する。

「で、どうする気だ?
 正攻法で勝つのはいくら姫路や僕が万全であっても厳しい。
 かと言って、絡め手も思いつかん。
 僕は弱点の看破は得意なつもりだが……弱点を作るのは少々苦手だからな」
「そういやそうだったな。
 じゃあ結論から言おう。何とかして代表同士の一騎打ちに持ち込む」
「学年首席との一騎打ちだと? まず勝てないと思うが」
「まぁ、そうだな。だが、ある特定の条件下なら話は別だ。
 試召戦争ってのは両者の同意さえあれば何も召喚獣バトルにこだわる必要が無い事は当然知ってるな?」
「ああ」

 試召戦争というのはあくまでも『点数を使った勝負』だ。召喚獣は手段の1つに過ぎない。
 だから、例えば本当に純粋にテストの点数勝負にする事も可能だ。両者の同意さえあればな。

「で、その条件ってのは?」
「日本史の点数対決。内容は小学生レベル。100点の点数上限アリだ」
「…………霧島が100点プラマイ3点程度、お前が53(ゴミ)くらいの点数になりそうだな。
 まず勝てないから絶対勝てないにランクダウンしたぞ」

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