苦痛と快楽!? 繰り返す時の中で小悪魔に苦鳴を搾りとられることを選ぶパチュリー!!
「それで、これからどうするんですか?」
小悪魔からの問いかけに、パチュリーは少し考えて答える。
「そうね、ナジミの塔は駆け足で通り過ぎただけだったから、今度はじっくり調べてアイテムを回収しましょうか」
「それなら前に使った、レーベの村の南の森からナジミの塔に通じている地下道から行けばいいんじゃないですか? 途中、鍵がかかっていた扉もありましたよね?」
そういうわけでレーベの村から南下し、森の中にある入り口から地下道へと入るパチュリーたち。
盗賊の鍵が必要な扉があるので入ってみると、宝箱があった。
「中身は素早さの種と、カシの木をくりぬいて作った木の帽子ね」
木の帽子は金属製のヘルメットに比べ守備力は低いが、それでも低位の魔物の爪や牙程度では貫通できないし、軽量でぶつけても大きな音を立てないため隠密行動(ステルス・エントリー)には向く。
「それじゃあ、両方ともあなたに……」
「ちょ、ちょっと待ってください! これはどう考えてもパチュリー様が使うやつですよね?」
元々そんなに素早さが高くならない商人で、さらに素早さの成長に10パーセントのマイナス補正があるタフガイのパチュリー。
また素早さの半分が守備力にプラスされる、つまり素早い身のこなしでダメージは減らせるとしたドラゴンクエスト3のシステムではその影響で守備力も低くなっている。
しかし、
「私はヒットポイントが高いから敵の攻撃にあなたより耐えられるわ。だから守備力が低くても私が攻撃を受けやすい先頭に立っているのでしょう?」
「うぐ、た、確かにその方が安全ですけど、それだったらパチュリー様の守備力を上げて受けるダメージを減らした方が、治療代が安く上がりますよね?」
「将来的には、そういうこともあるでしょうね」
「将来的?」
どういうことかというと、
「今のあなたのヒットポイントは薬草の回復量を大きく下回っているでしょう? 危ないから小まめに回復させないといけない、治療に無駄が多くなるあなたの守備力を高めて被ダメと治療の回数を減らした方が、多少、被ダメが増えても大量のヒットポイントで薬草の回復量以上に負傷するまで耐えて、1回の治療で済ますことができる私の守備力を高めるより優先されるべきなのよ」
ということだった。
「うぐぐ……」
とはいえ、
「まぁ、これは勇者と商人の比較検証だから、無制限に借金を許してもダメよね。攻略上、不利になるとしても」
そういうわけで、素早さの種と木の帽子はパチュリーのものに。
「素早さの種の売値は60ゴールド、木の帽子の売値は105ゴールド。これらは二人に所有権があるから、半額の82.5ゴールド…… このドラクエ世界だとお店での売買も端数は切り捨てなのが慣例だから82ゴールドをあなたに支払えばいいわけね」
そうして精算した結果が、
小悪魔:-37G
パチュリー:26G(+未払い分37G=63G)
「借金が減ってくれましたが、ゼロにはならないんですね……」
「ちなみに商人はコスパが良くて守備力が高いターバンを買えるから、そうしたらこの木の帽子はあなたがまた買い取らなくてはダメよ」
「そんな殺生な!」
そうして、素早さの種を口にするパチュリーだったが、
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