ハーメルン
時を操る狐面の少女が鬼殺隊で柱を超えたそうですよ
記憶の断片(弐)



「…神童院」


それは夢で見たあの寺だと証明する物他ならない看板であった。

胸騒ぎがする。

固唾を飲み込み、一つ深呼吸を挟んで階段を登る。


大きな門をくぐり抜けた先には、大きな寺の本殿とその横や奥に複数の寺屋敷があり、中庭には砂利が敷かれ、真ん中には1人の西洋風の服を着た白髪の男が背を向けていた。

すぐ斬っても良かったが、先程戦った文子という少女との過去の記憶や、この声自体がどこかで聞いたことがある気がすると感じる謎を解き明かしたかった。



「…こっちを向いたらどうですか?」


そう問いただすと男はふふと抑えた笑いをした。


「ここまで無傷………さすがだ大竹雫、やはり君は神に愛された子なのだろうな」


「……?」



何か嫌な予感がすると、そう直感し眉間にシワを寄せる。



「こうして顔を合わせるのは十何年ぶりだな雫…いいや、千鶴」





こちらへと振り返った鬼はそう言い放ち、雫は目を見開いた。



「…………なんで」




存在するはずがないその顔は理解ができずとも徐々に確信に変わっていく。






「随分と大きくなったな」





顔を見たその瞬間、頭の中でつっかえていたなにかが外れ、千鶴と言われていた頃の記憶が蘇る。









「…()()?」









月は分厚い雲に阻まれ暗闇はより一層暗く、吹き荒れる風はどこからか湿った空気を運ぶ。

雫に不死川達が合流するまで、あと半刻。

[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:5/5

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析