連絡先
楽しかった花火大会も終わり、その一日後が経った今日……。
勿論、当然のように学校はある。何故なら、その日が学生が地獄を見る月曜日と言う日だからだ。
そんな月曜日の日、俺は今上杉と共に登校している。
昨日の楽しかった日々が嘘だったかのような感じがするが、ほら中学の先生とかよく言うだろ。切り替えろっていう言葉。それを思い出して、俺は切り替えて休日モードではなく、平日モードに入っていた。
「おっはー、お二人共~」
冬服を着ている一花が朝からカフェラテを飲みながら壁際に立っている。
「おはようさん」
「おっす」
それぞれ適当に返事を返す。特に上杉なんてお前体育系の人間かよと思わせるほどの挨拶だった。
「冬服に替えたのか?」
「おっ、流石ソラ君は鋭いねぇ。フータロー君はノーコメント?」
まあ、こいつ女がどんな服着てようが関係ないと言う奴だろう。
あっ、でも流石の上杉でも露出度高めな服とか着られたら何かしら言うだろうな。
「なんの用だ?お前と一緒に歩いていると妙に目立つから嫌なんだが……」
上杉は周りの目を気にしているのか、若干急ぎ足で歩いている。一花はそう言われて、満更でもないような顔をしている。対する俺と一花は普通に歩いている。別段、周りの目は気になってなどいなかった。寧ろ、五月に肩を借りたり、三玖をおんぶしているときの方が視線がキツかった。
「別に、なんもないよ。学校まですぐだけど一緒に登校しようと思って」
昨日のお礼も含めてと言ったところだろうか。
「一花、オーディションの方はどうだったんだ?」
「うーん、社長曰くバッチリって言ってたね」
この様子だと大丈夫そうだと言ったところだろうか。一花の表情を見る限りだから、何とも言えないが……。でも、一花なら受かっているだろうと俺は思っている。
「なるほど、じゃあその様子だとオーディションは無事合格ってところなのか。良かったな、晴れて若手女優の仲間入りか。将来はハリウッド女優にでもなるのか?」
「まだ分からないけどね。ハリウッド女優か……。ソラ君は煽てるのが上手いねぇ」
一花が首を横に振って否定していたが、何処か満更でもないと言ったよう感じだった。
別に煽てた訳じゃねえが、まあいいか……。
「そういえば、昨日あの後私の仕事のこと打ち明けたんだ」
俺と一花が急ぎ足で歩き上杉に追いついた後、上杉に言っていた。
「話してスッキリした」
「そいつは良かった」
此処で一瞬俺の脳内が思考する。今この状況、俺は邪魔なんじゃないのかと……。
とは言え、昨日の件は上杉のおかげだ。俺だけじゃ今回の件はどうにもならなかったしな。
「フータロー君はきっと、勉強のこと心配しているんだろうけど。留年しない程度には頑張るから、安心して。後、今日も勉強会やるんでしょ?放課後また連絡するから。と言う訳ではい!」
スマホを上杉に見せると、上杉はなんのつもりだ?と頭にハテナマークを浮かべている。
「メアド交換ってことだろ」
「ご名答!」
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