ハーメルン
ゼルダの伝説〜異世界の兵士共 NS(イセカイのツワモノドモ ニュー・ストーリー)〜
理不尽 〜NS〜一部内容変更あり

 
 


 ハイラルを旅立つ直前、ゼルダ姫から【時のオカリナ】を託された時のように……平和かつ和やかな時間というのは、悲しい事に延々と続かない物である……。そんなリンクや伊丹達は”フォルマル家の人達”に快く見送られ、イタリカを後にしていた。……エポナに無理させないようしながら、伊丹達のクルマに追従する事しばらく……前方から鎧に身をマトった女性の集団が、徐々に見えてきたのだ。遠目から”肌”や”髪の色”を見ても、”ゲルド族”ではないと分かっていたリンクだったが……統率が取れてる事に加え、何より鎧に施された”装飾”が豪奢なため、何処かの貴族の”お抱え騎士”……。あるいは、”王族の近衛”と思った以上、勝手に行動を取る事が出来なかった……。

 悩んだ末に彼はエポナを加速させ、伊丹達が乗る高機動車に並では、伊丹に声を掛けた。

 「ねぇ、イタミ。何だと思う?」

 「……たぶん、姫さんが呼んだ増援じゃ無いかな……〈全員、敵対行動と取られる動きは控えろ。特に栗林〉」

 高機動車の窓枠から身を乗り出し、エポナに乗馬するリンクに声を潜めてそう告げる伊丹。途中、特にトラブルを起こしそうな部下(クリバヤシ)に”日本語”で注意もするが……そうこうしている内に、髪の短めな女騎士が高機動車へと近寄って来た。

 「貴様ら、どこから来た?」

 いかにも”曲者(くせもの)”を見るような鋭い目付きで、少々高圧的に尋ねる女騎士。それに対し、車列の中程に居た高機動車から、富田自衛官が車窓から顔を覗かせては答えた。

 「〈えーと〉私たち、イタリカから帰る」

 「……何処へ?」

 「あ、アルヌス・ウルゥ」

 「何だと!? 貴様ら! 噂に聞く、異世界からの敵かッ!?」

 伊丹達はまだ知らぬ事であったが……この女騎士の集団にとっては、”アルヌスの丘”は一種の聖地(・・・・・)だったのだ。だが、そんな(冒涜された(?))事を伊丹達が知れるハズもなく……彼女らは一斉に抜剣、臨戦体制に入った。

 すると、女騎士集団のトップと思わしき”金髪縦ロール”の女性が、富田自衛官の胸倉(むなぐら)を掴み引き寄せては……昭和のヤンキーもビビりそうな、”スゴ味”ある言葉を投げ掛けた……!

 「もう一度、言ってご覧なさい……?」

 「イ、イタリカから来て……アルヌス・ウルゥに向かう……」

 近場に居た伊丹ニ尉は、流石にこの状況は不味いと判断したのか……未だ倉田三曹の胸倉を掴む女騎士の間に入っては、直接話をしようとしたが……。

 「降服なさい」

 近寄る間も無く……先程初めて声を掛けて来た、短髪程の女騎士にサーベルを首元に突き付けられてしまった。


 「あ〜落ち着いて、こちらの話を聞いて貰えます?」

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