ハーメルン
【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝
フィッシング! (Side ロッキー&ジン)
海中からの、四方八方から繰り出されるミサイル、そしてビーム攻撃。
二人はどうにか防戦するも――
――これだと、キリがないな――
防御し、致命傷こそないものの、それでもあちこちに損傷が見られる。
〈くうっ! ガントレットが!〉
再度飛来したミサイルを、右腕に装備した損傷だらけのガントレットで防いだ、フウタのレギンレイズ。
……だったが、ついに限界が来たガントレットは、このミサイル攻撃で砕けた。
〈心配しなくても、まだ左腕の方が残っている。だけど……〉
フウタの表情は、難しい表情を見せる。
「ああ。水中にいる相手に、こっちは有効打を打てない。これじゃ一方的に、やられるだけじゃないか」
向こうから一方に、攻撃を浴びせられる二人。
F91のビームシールドも、そろそろ限界に近い。じわじわと……追い詰められて行く
通信では勝ち誇った、ロッキーの様子。
〈はははは! さて……どれぐらい、もつかな。
あまりに全力を出しすぎて、少々大人げないかもだが、そっちは二人なんだから文句は言えないだろう?〉
「だが、こんなのって、反則すぎるじゃないか!」
とうとうジンは、弱音をこぼした。
〈反則ではない。こっちは水陸両用MSの特性を、最大限に活かしているだけさ。持前のスペックや装備を活用することこそ、バトルの極意ってやつさ〉
確かに、向こうの戦法は機体の性能を最大に活用していた。
――スペックや、装備を最大限に――
この状況を打破すべく、ジンは考える、
自身のF91、そしてフウタのレギンレイズはともに、水中での戦闘は得意でない。
地上、空中から攻撃を行ったとしても、相手は海を自在に動き回りさらに、海水に阻まれて攻撃が通るかすら怪しい。
〈ちいっ! せめてあそこから、引きずり出せれば!〉
フウタの言う通り。水陸両用MS相手に、同じく水中で挑むのは、アマチュア二人には無謀過ぎる。
どうにかして、海から引っ張り出せれば……あるいは。
「引きずり出すって言っても、こっちにはビーム兵器ばかりで、そんな装備なんてないぜ。……せめて、何か引っ張り上げられるような物があれば」
〈ははは……そんな都合の良いものなんて、僕のレギンレイズにだって……〉
こう話すジンに対し、苦笑いして否定しようとする、フウタであったが……。
〈……待てよ、引っ張り上げる、装備って言ったら〉
彼のレギンレイズは、頭部のセンサーを、右手に握っていたパイルに向ける。
「ん? 妙な顔して、どうしたんだフウタ?」
ジンはこれに気になる様子を見せるも、対してフウタは、得意げな笑みを見せ、言った。
〈上手く行く自信は、怪しいけどさ……良い方法を、思いついたんだ〉
――――
海中を潜行する、ハイゴック。
――さてと、この様子なら……楽勝だな――
ロッキーは余裕がたっぷりの、様子である。
――確かに少し、大人げなかったか。まぁ向こうから挑んで来た勝負だ、全力で行くのが、マナーってものだろ――
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