十話:邂逅
周りが寝静まり、静かになった夜……
新は今、海鳴市が一望できる丘にいた……
夜のため、目立たぬように紺色の無地のシャツとズボンを着たうえ、明るいところに入らないよう徹底している……
「……よし、誰もいないな?」
周囲を見渡し、誰もいないことを確認した新は、死者と生者の殺しあい(ハロウィン·パーティー)を行うために両手を合わせて薄く周囲にオーラを飛ばした…
ここで、死者と生者の殺しあい(ハロウィン·パーティー)について詳しく説明しよう
新の発、死者と生者の殺しあい(ハロウィン·パーティー)は魂の提灯(カボチャノランタン)を使うことを前提とした鍛練用の発である
オーラを薄く飛ばして気配を読み取る"円"……
その範囲内にある死んでいった虫や小動物をはじめとした生き物たちの負のオーラを収束させてモンスターを生み出すのである
そして、そのモンスターを倒すことでそのモンスターを作り出していた負のオーラを魂の提灯(カボチャノランタン)が回収……
保管することで自身の総合オーラ量の嵩ましを図ったものである
しかし、この死者と生者の殺しあい(ハロウィン·パーティー)、発動するにあたってルールが存在するのである
夜にしか発動させることが出来ない、発動時は両手を合わせた所謂"柏手"を取らなくてはいけない
などがある
その中にあるルールの一つとして、これがある
"生み出すモンスターは自身の総合オーラ量につき一体"
これだけ読むと解りづらいだろうか?
簡単にいうと、新自身の総合オーラが100あると仮定して、円の中にある負のオーラが250とした場合、生み出されるモンスターは二体……
残りの50は切り捨てられる
因みに、この切り捨てた50はまた死者と生者の殺しあい(ハロウィン·パーティー)するときに回収される
でだ、話を戻すが公園やお墓等にも負のオーラはあるにはある……
だが、前者は死んだ生き物が小さいものが多く、後者は供養されているからなのかオーラの質が悪い……
その為いくら発動させても一体から二体がほとんどであった……
その為、何時もと同じ感覚で円を行った新なのだが……
これが駄目だった……
「……やっべ……!?」
新が今いる場所は、公園やお墓のように人の手が入っていない、自然豊かな丘だ
その為、死んでいった生き物達の負のオーラは計り知れない……
長い間留まっているものもいるだろうから、その数と質は公園やお墓等とは比べ物になら無い
つまり……
「……最悪だ……」
生まれたモンスターは、一体二体では効かないということである……
その数、6……
「かろうじてラッキーなのは、全員の居場所がバラバラなことだけだな……」
円で出現した場所を確認した新はそう言いながら時間を確認する……
時刻は、午前一時三十二分……
「タイムリミットは一時間、それを越えたら……」
ー大変なことになる……
そう思った彼は、覚悟を決めた顔で白いバットを具現化させる新……
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