ハーメルン
VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた
二期生とカラオケオフコラボ配信1
「やぁ! 聖様こと『鏑木聖羅(かぶらき せいら)』だ。今日はよろしく!」
「神成シオンこと『一ノ瀬詩織(いちのせしおり)』です! 身バレ対策で事務所を出たら名字でよんでね!」
「は、はい! 心音淡雪こと田中雪です! きょ、今日はよろしくお願い致します!」
ライブオン本社の玄関口で本名のこともあり改めて先輩二人と自己紹介しているのだが、もう緊張でカッチカチだ。
最近の激動の日々から少しはメンタル強くなったかなーとかひそかに思ってたけどこの状況は無理。
あとですね、私オフでライバーの方とお会いするのこれが初めてなんですけど、なんで二人ともこんなビジュアル良いんですか!?
聖様こと鏑木先輩はもうね、女子高の王子様って感じ。流石にアバターまでとはいかないけど高身長のショートカットですらっとしている。
顔だちもシャープでそこに居るだけで存在感がすごい。
更にシオン先輩こと詩織先輩は何というか……若い。
すごい可愛い顔だちなんだけど、至る所にあどけない要素が混じっている気がする。
「ふふっ、シオン君のこと子供だって思ったろ?」
「えと……はい、すみません」
「むむっ! それは勘違いですよ! つい先月お酒が飲めるようになりました! ……苦いの苦手なので実質飲めませんけど」
「はい!? じゃあ私と同じ20才ってことですか!?」
「あ、淡雪ちゃん同い年なんですね! 嬉しいです!」
何ということだ。ライブオンのママとまで言われた対応力の天才は私とほぼ同じ年月しか生きていないらしい。
というか私、今まで同い年の配信に母性を感じていたのか……
これはまずい! これからはシオン先輩に負けないように頑張らないと!
「ふふっ、緊張してます? いきなり誘っちゃってごめんね」
「大丈夫かい? ストゼロ飲む?」
「こら聖様! 悪乗りしないの! ほら、肩の力抜いてください。いっそのことタメ口でも全然OKです! もう私たち淡雪ちゃんにプロポーズされてますしね!」
「ひえっ、そ、その節は本当に申し訳ない……」
「いいんですよー! なんだかんだいって面白かったので!」
私の両肩に手を置きとんとんと力を抜くよう軽く叩いてくれるシオン先輩。
ああ、これは完全にママですわ。即落ち2コマですわ。シオンママすこすこのすこ。
そして自己紹介も終わったので、さっそく食事に行くことになったのだが……
◇二時間後◇
「おっすおら淡雪! 今日は聖様とシオン先輩とでカラオケに来てるどー!!!」
「やぁ諸君! みんなの聖様が来たよ!」
「こんみこー! 今日はご飯食べてコラボの打ち合わせするつもりが、なぜか即興でコラボ始まって困惑必至のシオンだよー!」
コメント
:ふぁ!?
:これってもしかしなくてもオフコラボなのでは?
:キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
:ま じ か
:シオンママを生贄にしたサバトの会場ですか?
:てか絶対シュワちゃんストゼロ飲んどるやんけ!
:プシュ!
:こんみこー!
:キャー聖様ー!!
:ママを困らせることしかできない悪ガキ二人
:伝説の夜はこうして始まった
どうしてこうなった?
この突っ込みどころ満載の状況の全ては、お店のメニューから始まった――
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