【打ち合わせ】炎上後の対応について
「わ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ま゛ひ゛る゛ち゛ゃ゛ん゛た゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! 」
「はじめまして、まひる先輩。獅子島レオです」
片や発狂しながら、片や落ち着いてまひるへと頭を下げる。
まひるの身長は夢美より低いが、諸星ほど低くはなかった。
顔つきもどちらかと言うと、大人びた印象を受けるのに纏う雰囲気はどこか幼い。ある意味諸星とは真逆の印象を受ける人物である。
「あれ、もしかして二人共年上だったかな? だったら敬語の方が良かったかな?」
「いいんだすよ! 全然フランクに接してくだしあ!」
「何でキーボードの誤変換みたいになってるんだよ……」
憧れのライバーの前で正気を保てていない夢美に呆れながらも、レオはまひるに自分達の年齢を告げた。
「俺達はどっちも二十五歳ですけど、まひる先輩は?」
「おー、五歳上かぁ」
「えっ、てことはまひる先輩ってデビューしたとき十代だったんですか」
「ギリギリだけどねぇ」
まひるがライバーデビューしたのは去年の春。先日一周年記念配信が行われたばかりである。
高校生のときからゲーム配信を行っていたまひるは、にじライブからのスカウトを受けてバーチャルライバーとしてデビューすることになったのであった。
「そんなことより、バラちゃん大丈夫だった?」
「ひゃい! 全然大丈夫です!」
憧れのライバーであるまひるに心配されたことで、夢美のテンションは最高潮に達していた。そんなまともに会話のできなくなっている夢美をフォローするように、レオは現状を説明した。
「ちょうど今打ち合わせが終わったところで、何とか丸く収まりそうですよ」
「そっかー……良かった」
二人のことを本当に心配していたまひるは安堵のため息をついた。
そんなやり取りを他所に、こそこそと休憩スペースを離れようとしている人間が一人。
「こら林檎ちゃん! 逃げないの!」
「……バレたかー」
まひるに咎められ顔を顰めながら戻ってきたのは、艶のある黒髪をハーフアップにまとめた丸顔が特徴的な女性だった。
「おー、炎上仲間のバラギじゃん。おはっぽー」
「その気の抜けるしゃべり方。まさか――」
「どもどもー、三日前に炎上した白雪林檎でーす。レオ君も、バラギも、同期同士よろー」
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