ハーメルン
Vの者!~挨拶はこんばん山月!~
【初配信】はじめまして!茨木夢美です!!

 出てきたことばは、シンプルな告白の言葉だった。

[初手告白は草]
[大胆な告白は女の子の特権]

[白鳥まひる:わーいやったー! まひるも夢美ちゃんのこと好きだよ!]

「あ、ああ、ああ、ありがとごじゃます!」

[限界化してるwww]
[なんかむしろ親近感沸いたわ]
[てぇてぇ]

 それから何をどう話したか、夢美は覚えていない。

「本日はあたしの配信を見に来てくれてありがとうございます! 良かったらチャンネル登録とベルマークの登録をお願いします! またねー!」

[お疲れ様でしたー!]
[お疲れ様でしたー!]
[お疲れ様でしたー!]

 最後に可愛いBGMを流しながら数秒待って配信を切ると、夢美はその場に力なくへたり込んだ。

「はあぁぁぁ……マジで緊張した……」

 しばらく深呼吸をして呼吸を整えると、夢美はまずい点を改善するため、自分の配信のアーカイブを見返すことにした。
 余談だが、夢美は一度も猫を被っているときの自分を客観的に見たことがない。
 その結果――

「スゥ――――ッ……」

 嫌な汗が全身から噴き出してきた夢美はベッドへと飛び込んで枕に顔を埋めた。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! 緊張し過ぎで吐息多い! 途中でまひるちゃん来て限界オタクになってるし! えへへ、じゃねぇよ! 媚びた笑い方キモい! こんなの嫌だぁぁぁぁぁ!」

 どうか、変な女だと思われていませんように!
 一縷の望みを託してSNSで〝茨木夢美〟をエゴサーチすると、「かわいい」「ロリコンだけどかわいい」「ポストまひるちゃん」「ゆみまひてぇてぇ」などと、夢美はちょっと変なところがあるが、むしろ親近感が沸いて可愛いという評価をされていた。

「大丈夫、大丈夫……地声は出てないし、みんなも可愛いって言ってたし、オタクっぽいところはむしろ視聴者には高評価なはず。そうだよ、案外無難にやれてるよ。なんならレオの方が色物枠っぽくなってるし」

 一週間後、レオの存在感をかき消すレベルの色物枠になることを彼女はまだ知らない。

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