ハーメルン
異世界帰りの少年の大事件 ~TSした元男の娘の非日常~
10件目 女子力装備、依桜ちゃん
「それでは、うちのクラスの学園祭の出し物を決めたいと思います」
今日はLHRがあった。
うちの学園は、学園行事に対して、かなり積極的なため、本番の三週間前から、五、六時間目は全部準備に充てられ、本番の一週間前からは本格的な準備になって、授業の一切が無くなる。
今日は、その第一回目。
現在は、クラス委員をやっている未果が進行をしている。
「えー、出し物自体を決めるのは、今週までですが、とりあえず、なにかやりたいものがあれば、挙手をお願いします」
『はい!』
みんな一斉に挙手をした。
ボクは特にやりたいこともなかったので、特に手を挙げる必要はなし。
「じゃあ……佐藤君」
『お化け屋敷!』
「お化け屋敷……と。それじゃあ、次……佐々木さん」
『喫茶店!』
「喫茶店ね。次は……遠藤君」
『演劇、とか?』
「なるほど、演劇ね。次、山田さん」
『スタンプラリー!』
「スタンプラリー……っと。ほかは……態徒」
「ゲーム大会!」
態徒にしては、普通のものだった。
おかしいな。態徒なら、変なことを言いそうなものだけど……。
「ゲーム大会ね。次は……女委」
「即売会!」
あ、うん。こっちが外れだったかぁ……。
「……一応聞いておくけど、それは何?」
「ナニって、未果ちゃんも大胆だねー! えっと、売るのはほかでもない、BL――」
「却下!」
「そ、そんな!」
取り付く島もない未果の発言に、女委が力なく机に突っ伏した。
うん。当然の結果だと思う。
というか、よく通ると思ったね。
普通、学園祭とかでBLの本を売ったりする? 全国探せば、きっとなくはないんだろうけど……普通は、許容されないでしょ。
「とりあえず、こんなところね。ほかに何かある?」
と、未果が聞いてみるものの、誰も手を挙げない。
どうやら、手を挙げていた人の大半は、出されたアイデアと被っていたみたいだ。
「うーん、まあ、初めての学園祭だし、こんなものよね。とりあえず、これらを候補にしておくけど……その前に、確認。態徒。このゲーム大会は、なにをするの?」
やっぱり、そっちに矛先向くよね。
正直、ボクもただゲーム大会をするだけとは思えない。
必ず、態徒には何かあるはず……。
「え? そんなもん、決まってるだろ? オレ、一度やってみたかったんだよ……野球拳とか脱衣麻雀とか!」
デスヨネー。
「却下!」
「なんだと!? 未果、貴様! 男のロマンを踏みにじるというのか!」
「あのねえ、学園祭でそんな不純な物、できるわけないでしょ!? というか、仮に通ったとしても、女委のような人以外、女子は来ないわよ!」
「なんっ……だとっ……!」
あー、うん。やっぱり、いつもの態徒だったね。
当然、ゲーム大会だけで終わるはずもなかったか。
あと、なんでさっきまで自信たっぷりだったんだろう? 野球拳とか脱衣麻雀って……高校生がやるような内容じゃないでしょ。いや、大学生でもやらないと思うけどさ。
というか、さりげなく女委は行くのが未果の中では確定なんだね……。
「変態はさておき。今日はこれのほかに、色々と決めないといけないことがあるから、明日までに、どれがいいか、各自決めておいて。明日投票するから。細かいことは、とりあえずその時にします」
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