ハーメルン
FAIRYTAIL-イストワール・オブ・レイチェル-
5.「怒りの参戦」
海戦を終えた後、ミネルバのルーシィへの仕打ちに業を煮やしていた
妖精の尻尾。その戦いの後に大鴉の尻尾の失格によって、二つのチームが
一つになった。
最後の戦いの直前、急遽グレイと入れ替わるようにレイチェルが参加することに
なった。
「見せてあげましょう!レイチェル、貴方の奥の手を私は見たいんです」
メイビスの言葉。彼女の手はレイチェルの手を覆った。
レイチェル・ルミエールの魔法「変身者《トリックスター》」
統合した妖精の尻尾のリサーブ枠として控えていたレイチェルは
ギュッと手を握った。
「こんなに怒る事は今までなかったです。今回ばかりはマジで
キレそうなんです!!!一発どころか顔がボコボコになるぐらい殴らないと
気が済みません!!!!」
剣咬の虎の滅竜魔導士たち。そのうちの一人、「氷竜」の
ザハール・クリシュタリアは空を見つめていた。
「ザハール」
「シュガー、先に寝てればいいのに」
シュガーと呼ばれた桃色のメス猫、エクシードだ。ジエンマ、彼は
ギルドマスターとなってここを支配している。だから周りの思想も歪む。
抗えるのなら抗いたい、だが最初の一歩を踏み出す勇気が無かった。ジエンマの娘、ミネルバの行った仕打ちは彼自身も最強の風上にも置けないと
思った。
「まだ、無理してるの?」
「だな。だがそれも今日で終わりだよ。折角だから派手に負けてやろうじゃん?」
ザハールが歯を見せて笑った。
そしてやってきたのは因縁の戦い。元・最強のギルドと現在最強のギルド。
初めてのトリプルバトル。滅竜魔導士と新星が入り混じった彼らの戦いを
待ち望んでいた観客は多かった。
「これってランダムだったか?」
「ランダムだったら恐ろしい偶然だけどね」
ザハールの言葉にレイチェルは返した。
試合時間は30分。開始直前にナツはレイチェルに頼み込む。
ザハールを一人で抑える。
「いや、まぁ…最初からそのつもりだったんだけど」
レイチェルの手に握られているのはカード、数枚。
それをザハールに見せつける。
「友達を切り捨てる人たちになんて負けないよ!」
絶対に勝つという彼女に対してザハールは不敵な笑みを浮かべた。彼女たちは
ナツたちから少し離れた場所にいた。ザハールが大きく息を吸った。
「氷竜の咆哮!」
放たれた冷気が目前に迫りレイチェルは慌てて上へ逃げる。
風衣ルドラハート、それは浮遊することが可能になる。風属性だからだ。
辺り一面が瞬く間に凍り付いた。凍った地面から鋭角が上へ伸びる。
レイチェルを完璧に捉えることは出来ないが僅かに彼女に傷を負わせている。
レイチェルが着地した直後だ。大きな魔力を感じ取り、ナツたちの元に
駆け寄った。
「来るなッ!!レイチェル―!」
「え―!?」
スティングの技で地面は崩れ、戦いの場は地上から地下に変わる。浮遊感の中で
レイチェルは風衣から雷衣に装備を変更し接近戦を仕掛ける。
「悪いなスティング。コイツは俺の敵だ」
ザハールが二人の間に割って入った。レイチェルに目を向け嗤った。
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