ハーメルン
FAIRYTAIL-イストワール・オブ・レイチェル-
8.「聖十と処刑人」
「闘術・鳳仙花ッ!」
体術に特化したレイ。カグラは彼が本気を出したら自分では勝てないと
ハッキリと言ったという。変色した腕をどうにかして動かしレグナは
最後に技を放つ。
「ファイアメイク・花園《ガーデン》…!」
赤い炎の花々が咲き乱れて攻撃を仕掛ける。立ってるのがやっとだろう。
花々を掻き分けてレイは軽く掌底を突き出してレグナを倒した。
ザハールと向き合うレイチェルはカードを使う。
「氷衣・アイシクルハート」
氷の弓矢。レイチェルはそれをザハールに向けて放つ。だがその矢は
彼には効かない。
「氷竜の鉤爪ッ!!」
距離を詰めて蹴りを放つも空振り。だが効果はその先にあった。
鋭い刃が四方八方に飛ばされた。レイチェルは上手く躱し、あるカードを
見せた。それだけで何かを察した。
「聖属性!?」
「トリプルバトルの時に拝借したんだよ。それにこっちは相手が色々
魔法をぶっ放してたから、作りやすかった!」
今までは何らかの武器として具現化していた。だがこれは違う。
全身に具現化させる。
名前を―
「光天・ホーリーシュヴァリエ」
白い騎士服に青いリボンが巻き付いた美しい剣。それを構える姿はまさに
騎士らしい。剣と氷の鉤爪がぶつかった。力では圧倒的にザハールのほうが
上だ。軽く突き、すぐに別の魔法に変える。風衣・ルドラハートに変化させ
上に飛ぶ。
「ッ!?聖痕ッ!!?」
ザハールは歯を噛み締める。聖痕に対して使える物が彼にはない。
真上からレイチェルの踵が落とされ、ザハールは意識を失って倒れた。
「流石ですね、レイチェル」
レイは微笑を浮かべているが何処か警戒し、感覚を研ぎ澄ませている。
お互いに疲れが滲み出ている。これが最後だ。
「影天・シャドウシュヴァリエ」
騎士の雰囲気が強かった光天と違って影天は東洋の剣士の雰囲気が強い。
刀を納刀し、前傾姿勢で構える。
「もしかして、その攻撃って痛いの?」
「まさか。痛くないように工夫はしていますよ。では、行きますよ!」
赤い線と黒い線が目に見えた。刀を納刀したレイチェルは影天を解く。
倒れたのはレイだった。レイチェルは再び風衣に変化し、彼女は
仲間の元へ向かった。
その頃、ナツたちは餓狼騎士団と戦闘をしていた。
「うわっ、凄い揺れ…!」
ルーシィは驚く。揺れを起こすほどの戦いをしているのはレオン・マクガーデン。
若き聖十の魔導士だ。そして彼とほぼ互角に戦っているのは餓狼騎士団に
所属する人物。
レオンは息を吐いた。
「凄いなアンタ」
「皮肉にしか聞こえないな。が、悪い気はしない」
ボーマン・シャーウッド、彼は少し息が荒い。めのまえにいる魔導士は
格上というレベルではなく次元が違う。そんな相手と彼は対等に戦っている
ように感じていた。底の見えないレオンの魔力量に彼は改めて聖十の
実力を思い知った。
「圧縮と伸張…距離を操ると言っても良いかな。強力だ、まだ対抗策は
思いついていない」
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