ハーメルン
バカとMMORPGと召喚獣!
イベント開始~三日目 村人の交流

イベント3日目。

今日もモンスまみれの状況で目覚めた俺は、微睡んでいる皆をベッドに残して、キッチンに向かった。そして、早速朝食作りに取りかかる。平パン、不味そうな見た目の味噌汁、野菜炒めの簡単料理だけどね。ただ、カイエンお爺さんの家にはもう肉が無かったので、肉は昨日の夜狩りで手に入れてきたウサギ肉を使っている。

「今日はどうするんだい?」

「実は幾つか欲しい物があるんですけど、村で手に入りますかね?」

「何が欲しいんじゃね?」

「魚介類ですね。海の産物があればベストなんですけど。あとはチーズも欲しいです」

「こんな辺鄙な村に、海の物が入ってくるわけないじゃないかい」

「そうですか~」

ですよね~。ここは海から遠そうだし、まあ期待はしていなかったが。

「川魚なら、リッケの奴に頼めば用立ててもらえると思うが」

「リッケ?」

「うむ、川漁師見習いのリッケじゃな。本来はその父親が魚を獲っているんじゃが、今は武闘大会の観戦に出てしまっておるでの。息子のリッケが代わりに働いとる」

じゃあ、そのリッケっていう人に会えれば、魚が手に入るかもしれない。鮎などで出汁を取ったラーメンを食べたこともあるし、川魚でも出汁が取れないということはないだろう。なにより、普通に魚が食べたい。これはぜひ訪ねてみなければ。

「あと、チーズはアバルの所に行けばあると思うぞい?」

「その人は酪農家さんだったりします?」

「うむ。そうじゃ」

この村は自給自足なので、商店に卸したりするのではなく、生産者が家などで直接販売していることが多いらしい。これは本当に良い情報だな。そうか、店で買うだけがアイテムの入手方法じゃないってことだよな。

「他にも家で細々と販売しているような人はいますか?」

「そうじゃな・・・・・。茸採集をしてるバッツと、狩人のカカル、あとは豆農家のクヌートは自宅で細々販売しておるよ?」

ほほう。全て面白そうだ。俺は全部の家の場所をお爺さんに教えてもらい、今日のうちに回ってみることにした。その前に畑仕事だけどね。カイエンお爺さんの畑に向かうと、お爺さんの畑には、様々な野菜が育っていた。やはりオルトの栽培促成exと、ゆぐゆぐの樹魔術の力は偉大だわ。

「よし、今日は収穫できるな」

「ム!」

「――♪」

「クマ!」

「キュイ!」

「メェー」

ただ、この後どうすればいいんだろう? 全部収穫して家に運べばいいのか? この後、種まきは?
俺はオルトたちに畑を任せて、一旦お爺さんにどうするのか聞きに戻った。すると、半分は株分して畑に蒔くのだそうだ。それも俺たちにやらせてもらう。オルトたちの経験値稼ぎにもなる仕事だからね。
畑に戻ると、皆が楽し気に畑仕事をしている様子が目に入ってくる。長閑な畑で一所懸命働く妖精や動物たち。うーん、いつ見てもファンタジーな光景だ。

「ムッムッム!」

「――♪」

オルトとゆぐゆぐは野菜を収穫しているが、そのやり方も微妙に違う。オルトは威勢よくブチブチと抜いていくが、ゆぐゆぐは一個一個丁寧に収穫している。品質に差は出ないと思うが・・・・・。大丈夫だよな、オルト?

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