鍛冶師イズと情報収取
ヘパーイストスに納品する素材集めをして数日が経過した。徹夜でしてもVIT以外のステータス数値は0故に採取や採掘は困難を極める。モンスターのドロップアイテムを売って換金して得た資金=Gを貯めつつ、効率よく集めるために掲示板に素材を買い求める依頼を登録しているので、入手の手段を幅広くしてからだった。頼まれたクエストも―――。
「どうも」
「あの時の兄ちゃんじゃないか!」
「これ、頼まれてたワイルドストロベリーです」
「おお! 作ってくれたんだな! ありがとうよ! ほら、これは報酬だ」
納品クエスト
内容:ワイルドストロベリーを栽培し、その実を10個納品する
報酬:200G、ミントの種
期限:なし
200Gとミントの種だ。ミントっていう種がある訳じゃなく、ブルーミント、レッドミントの2種を5つずつもらえた。雑草も充実してきたよな。
「改めて礼を言うぜ。おれはスコップっていうんだ。よろしくな」
「あ、死神ハーデスと言います」
「なあ、ハーデスを見込んで頼みがあるんだが、話だけでも聞いちゃくれないか?」
「頼み?」
「おう。実は俺の弟が露店をやってるんだが、ちょっと仕入れの事で困っててな。助けてやってほしいんだ」
「縁は縁を結ぶ・・・・・チェーンクエストか。わかった、どこにいるんだ?」
「おう!ありがとうな!弟は北区で露店を開いてるからよ」
おじさんの言葉と同時に、マップに赤い点が表示される。俺はそのままの足で弟さんの露店に向かった。
「お、あれかな」
言われた通りの場所には、確かに露店があった。ここもマッピング中に通ったはずなんだが、露店は無かったように思う。クエストが切っ掛けになって見えるようになったってことか?
「あのー」
「おう、らっしゃい。何をお探しで?」
出迎えてくれたのは、花屋のおじさんそっくりの厳ついおっさんだった。ただ、こっちの人の方がやや背が低いかな?
「花屋のスコップさんの紹介で来たんですが。何やらお困りという事で」
「おお。お前さん異界の冒険者か?」
「はい。死神ハーデスと言います」
「俺はライバっていうんだ。よろしくたのむ」
「よろしくおねがいします」
「見ての通り、俺の露店はハーブやスパイスを取り扱っているんだが・・・・・」
ライバさんの言葉通り、露店では色とりどりのハーブやスパイスを売っていた。塩や胡椒、レッドミントやバジルル等々。しかもハーブティーなどもあるな。これは俺でも作れるのか?
名称:ハーブティーの茶葉・カモミーレ
レア度:1 品質:★8
効果:なし。食用可能。
名称:ハーブティーの茶葉・ラーベンダ
レア度:1 品質:★8
効果:なし。食用可能。
「実はよ。ハーブの仕入れ先が休業しちまって、幾つかのハーブの入荷が滞ってるんだ。で、幾つかのハーブを栽培して納品してほしいんだよ」
「種は貰えるんですか?」
「勿論だ」
それなら栽培自体は可能だろう。だが、大量のハーブを恒久的にというのは中々厳しい。畑を圧迫するし。そう伝えたら、一回だけで良いそうだ。
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