ハーメルン
魔法少女リリカルなのは with Dark_Matter
見えない未来 最初の出逢い
日本、海鳴市市街地。藤見町に位置する高町家の一室。
ピピッピピッ と、二つ折りの携帯電話からアラームが鳴る。
「ん……んん……」
ベッドの中からニュッと左手が伸びてきて携帯電話を手探りで掴んで引っ込める。 アラームをベッドの中に潜ったまま止め、ゆっくりと少女がふぁー、と欠伸をしながら起き上がる。 目を右手で少し擦りなが目を開けると、茶系の髪を短めのツインテールを白いリボンで結んだ髪型の少女はボンヤリとしながらつぶやく。
「何か……変な夢……」
ボーッとしばらく部屋の窓から外を眺める。
何か夢を見ていた事は覚えているが、内容が思い出せない。
少女はひとまずベッドから出て身支度をし、いつものように家のリビングに向かう事にした。
リビングでは、両親と兄と姉と共に、朝の食卓を囲っていた。
少女の名前は高町なのは。
喫茶店経営の両親の元、三人兄妹の末娘でごくごく普通の小学校三年生。
私立聖祥大附属小学校に通う、どこにでもいるような普通の子供だ。
白い学校指定制服を身に付け、スクールバスで登校する。スクールバスには、二人の友人がいつも乗っていて、声をかけてくれる。
「おはようございます」
高町なのはがニッコリと笑顔で運転士に挨拶をすると、直後に、
「なのはちゃん」
「なのは、こっちこっち!」
バスの最後部座席にいる二人の友達。
黒髪の長い髪に白いカチューシャを着けた、大人しそうな少女、月村すずか。
もう一人は金髪のロングヘアーの少女、アリサ・バニングス。
「すずかちゃん、アリサちゃん、おはよう」
「おはよ」
「おはようなのはちゃん」
二人は腰を動かしてなのはが座れる間を作り、招き入れた。 3人はいつも通り、笑顔を浮かべ合った。
三年A組の教室。
私立校ではあるが、特別公立校と比べて大きな違いはない。
普通の共学と同様に男女の児童が授業を受けている。
違いといえば、男女共に白色を基調としたセーラー服風のデザインの制服だという事ぐらいだろう。
今は、将来や仕事の種類に関する内容の授業。
担任教師の言葉になのははふと考える。
(自分の『将来』……、やりたい事……。未来の夢が、あるようなないような……)
将来の夢は? と聞かれても「まだ分からない」と答えるしかないのが、最近の彼女の悩み事だった。
そんな毎日___。
昼休み。
校舎屋上には、昼食を食べる児童や遊び回る児童で賑わっていた。なのは等三人も長椅子に座って弁当に手をつけていた。
話題は件の将来という事について。
「_ま、そりゃそうでしょ。普通の小3は未来の夢なんて決まってないわよ」
「うん。でもアリサちゃんとすずかちゃんは、もう決まってるでしょ?」
「でも全然漠然とよ?パパとママの
会社経営
(
おしごと
)
あたしもやれたら良いなってくらいだし」
アリサとなのはの会話にすずかも加わる。
「私もだよ。ぼんやりと『できたら良いな』って思ってるだけ」
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