第4話 勘違い
鬼殺隊の花柱・胡蝶カナエと出会い数日、話をしながら俺と彼女は彼女の屋敷へと向かっていた。取り敢えず住む場所がなければ動くに動けないからだ。
【鬼】……俺の知る【鬼の一族】とは違う存在で、元は人間であり、昔から出現しているらしい。
普通の武器では討つことは不可能な不死性を持ち人を喰らう、弱点は太陽の光だそうだ。他にも藤の花を苦手としており、その鬼を討つのが鬼殺隊だそうだ。彼等は日輪刀と呼ばれる刀を使用しており、それで斬れば回復が困難になるらしい。
ただ、俺の斬った時の様に魂が出たのを見たのは始めてらしい。
正直俺もなんでアイツ等から魂が出るのか分からない。【幻魔】か【鬼の一族】に関わりあるなら分からなくもないんだけどなぁ……あのマッドサイエンティストが関わってない事を祈ろう。
元凶の奴が何の目的か分からんが鬼を増やしてる様だ。
平成の世の中より、文明が発達していない。胡蝶カナエよると現在は大正時代らしい。
これからどうしたものかと考えながら、歩いていると、胡蝶カナエが声をかけてきた。どうやら着いたらしい。
「アンタが姉さんに近付く男ね! 姉さんは騙せても私は騙せないわ! このケダモノ!」
と胡蝶カナエに似た少女に刀を突き付けられる。何でこうなったのだろう?
~少し前~
胡蝶屋敷……胡蝶カナエの屋敷で、現在は彼女の妹……胡蝶しのぶと住んでおり、そして此処は鬼殺隊の療養所となっていた。
しのぶは少しイラついていた。原因は姉であるカナエの帰宅が予定より遅くなっているからである。
緊急事態であれば、鎹鴉と呼ばれる人語を理解し、話す鴉から連絡がある筈で、それがないので少し安堵するしのぶ。
(姉さんが弱い鬼にやられることはないだろうけど……美人で、誰にでも優しいとくれば勘違いする下衆な男共にひっかかって……流石の姉さんもそこまでは)
等と考えているしのぶ。すると、鎹鴉が飛んできた。
「カァーカァー、しのぶ! カナエカラノ手紙ダ!」
どうやら鎹鴉はカナエからの手紙を持ってきた様だ。
「ご苦労様」
しのぶは鎹鴉から手紙を受け取るとそれを開いた。
「……はっ?」
しのぶはその手紙を見て唖然とする。手紙を置き、横に置いていたお茶を飲む。そして一度庭に出て深呼吸する。
「すぅ~はぁ~……最近忙しかったから疲れているのね」
そう呟くともう一度部屋に戻り、手紙を見た。そこには……
事情のある男の人を連れて帰ると書いていた。
そして、しのぶの中では優しい姉が騙されたり、乱暴されてたりと言う姿が浮かぶ。
「姉さんは私が守る!」
これが武とカナエが少し前の事である。
~現在~
「しっしのぶ? どうしたの?」
「姉さん下がって! 男は皆、ケダモノよ!」
「なんか物凄く勘違いされているような」
突然の事で驚くカナエと武。
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