07.追及
『特別監査チーム』の存在は生徒たちにとってはぶっちゃけあまり影響がありませんでした。それはまあ当然です。彼らの組織された目的はハグリッドの退職であり、他に問題のある先生なんていないのですから。強いて言うなら胡散臭いトレローニーと、えげつない贔屓を披露するスネイプくらいでしょうか?
監査チームの方々はそれぞれ専門分野に近い科目を見学し審査するようです。他の学年の生徒は薬草学で魔法事故惨事部の大男か同席していたというし、魔法史にはアンブリッジがいたそうです。(ジョージ・ウィーズリーはピンクおばさんと言ってました)
私達の闇の魔術に対する防衛術の授業では闇祓い局のニンファドーラ・トンクスが控えていました。
ルーピンは今学期はバンシーの撃退法の授業をした後まね妖怪の撃退の実践をやると告げ、生徒たちはわくわくしていました。トンクスもなぜか普通に授業を受けています。
ていうかなんで二人組であぶれた子と普通に呪文を掛け合ってるんでしょうか…。おそるべきコミュニケーション能力です。
ルーピンも特に何も言わないどころか、いい質問をしてくるトンクスに対応しています。
授業が終わったあと、急にトンクスに話しかけられました。
「ね!きみがソフィア・マルフォイさんだよね」
「ソフィアですが何か」
「風の噂で聞いてたんだ。グリフィンドールに組分けされたマルフォイの子がいるって」
「ええ、まあ…だから話しかけたんですか?友達が待ってるのでもう行ってもいいですか?」
「あ、待って待って。違うんだ、あのね、私のお母さんとあなたのお母さんって実は姉妹なんだ」
「え…?」
私は困惑しました。母、ナルシッサはブラック家の出身で姉がいることは知ってます。その姉は死喰い人として捕らえられアズカバンに収監されていますが、彼女に子供はいなかったはずです。
「マグルのお父さんと結婚したせいで絶縁されちゃったんだけどね。だから私達、実は従姉妹なんだ」
「そう…だったんですか。従姉妹というのはなかなか新鮮ですね…」
真偽の方はおいといて、確かに絶縁されてても仕方がないかもしれないと思いました。マルフォイ家の周りにいる気取った連中の中でこんな陽気で親しみやすい人見たことありませんもの。
「急に言われても困るよね、ごめん。家風と違った道を行くあなたのことを聞いて嬉しくなっちゃったんだ」
「いえ…ええっと…じゃあニンファドーラ」
「私のことは絶対にトンクスって呼んで」
名前を呼んだ途端ものすごく冷たい声で返されました。そういえばダンブルドアに名前を呼ばれたときもこんな顔をしていました。
「トンクス…その、よろしく…?」
「うん!なにか困ったことがあったら言って」
トンクスはそう言って立ち去りました。遠巻きに眺めていたジニーは「面白い人だね」と月並みなコメントをしました。
さて、ハグリッドの方はというとユリカ・ケインズという魔法生物規制管理部の職員にかなり詰められているようです。ハリーやロンはご飯を食べながら彼女について文句を言ってますが、ハーマイオニーは違うようです。
「二人にはあんまり言えないけど……あの人の言うことはもっともだわ。ハグリッドには悪いんだけど……」
ハグリッドは監査チームにかなりメンタルを追い詰められているようです。ドラコはレタス喰い虫しか見ることのできない授業にノイローゼを起こしています。
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