私/ボクはこの世界で何を成す
「……本当に来たのか」
「うむ、ツアーはもちろんおいてきた。それと使い魔に運ばせてきた甘味じゃ。どこか落ち着ける場所はあるかの?」
「はぁ……わかったよ。作る。召喚・中位精霊。守護精霊」
レベル45の中位精霊、防御系特化……とはいってもたかが知れているが。似たような性能のモンスターでデス・ナイトがいる。
レベル80後半の上位精霊を出してもいいが、それだとこの世界にとっても私にとっても悪影響になりかねない。強すぎるから。
だから精々森の賢王よりちょい強い程度のこいつ。これならまあ、大丈夫だろう。
「命令、この周辺一帯を守れ。そうだな。私たちを中心に半径100メートルくらい。だが基本こちらから手を出すな。出す基準はこちらに悪意を持っている相手にのみ。それ以外は基本見逃すこと。不可視化かけておくからこっちに近づく輩は無視で大丈夫」
「……」
精霊は頷いてどこかへ消えた。
「驚いた。まさか伝説級の精霊を生み出すとは」
「「は?」」
ボクとパチェはリグリットの言った言葉に思わず、素っ頓狂な声を出してしまった。
「伝説級?何言ってんの?」
「何も阿呆なことは言うとらん。文献でしか見たことはないがまさしく伝説級の精霊じゃ。ワシ等にとっては、じゃが」
「……似たような強さのモンスターは知ってる?」
「そうじゃな、ワシの知るところだとデス・ナイトとかかの」
「なるほど。ちなみに、その伝説級モンスターに勝てる人間はこの周辺には?」
「一握りじゃな。冒険者の最上位の者たちと儂含め極わずかといって良いの」
「なるほど。この世界の基準はそれで何となくわかった。……じゃあ、こっちに。パチェ、防壁魔法は任せた」
「任されたわ」
「それで、何が聞きたい。私に何か聞きたいことがあるから来たんだろ?そこの隠れてる人間も」
「おや、気づいていたのか。だがそれでいてここまで入れてくれるということは容認しているんだろう?」
「私たちに害を成す存在ならば殺していたかもしれないが、そんな存在ではないことは分かっている」
「ありがたい。殺されてしまっては預けてくれた者に面目が立たんからの。ほれ、ユウよ。こやつが話した精霊じゃ。一目でいいから見たいといっておったが、感想はどうかの?」
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