私/ボクはこの世界で何を成す
「そうする。でだ、貴様らに従わなかった場合我にどうすると?」
「ふん、その場合は実力行使をするだけよ」
「とのことです」
「わからせてやりなさいよ」
「やだよ。厄介ごとしか来ない」
「もうすでに来てるじゃないの」
「確かに?」
「何をぐちぐち言っているんだ?作戦会議か?よかろうよかろう。我らから逃げるための策を張り巡らせるといい。その全てを潰してやろう」
「だそうな」
「わかりやすい小物ね。三流小説のモブにも劣るわ」
「手厳しいお言葉だ」
「事実よ」
「それじゃあ……わからせますか。この国に、私たちに手を出すとどうなるか」
戦いは好きじゃないが……ボクたちの安寧を脅かすならば話は別だ。
「作戦会議は終了か?」
「口を閉じろ下郎。貴様の耳障りな音を響かせるな。不快だ。さて、うまくいくか不安だが、リハビリに付き合ってもらうとしよう。パチェは下がってて」
「ええ」
さて、法国のお偉いさんには武力でもっておかえり願おう。殺しはしない。殺したら面倒になるだけだし。
見た目だけ派手で同格以上にはそんなに効果なく、初見殺しにしかならない戦法。王の財宝だっけか。
なんてことはない。ただただ武器を大量に投げつけるだけだ。コレクターとして集めた各人の神器級の武器を、性能の差はあれど、その辺の伝説級よりは段違いに強い……はず。
殺しはしないが、腕の一本や足の一本はご愛敬だ。
そこまで手加減できるほどボクは優しくない。
「採点のほどは?」
「65点。相変わらず見事だけれど貴女、インチキしてたでしょ」
「げ」
「放った武具が着弾する直前に地面に再度空間魔法を配置して、射出先を空に固定まではいいわ。でもそのあとしれッと別の魔法使ってたでしょ。ちゃんとは見えなかったけど斬属性のものを」
「正解。第4位階のものをね。けど『王の財宝』だけで戦うとは一言も言ってないよ」
「それ含めてよ。やるならもう少し隠しなさいよ。武器が当たる直前に発動させるとか」
「んな精密機械みたいなことできるわけないでしょうが」
さてさて、それはそうとしてだ。
法国の自称お偉いさんは気絶しているし。転移させて放置かな。
他の部下の方々もかわいそうに。
私にかかわらなければもう少し平穏な人生を送れたかもしれないのに。
ちなみに、パチェにめちゃくちゃ念を押されたので森の被害はゼロですボク頑張った。
多分一番神経使った。あんな見た目だけくそド派手なもの使って被害をゼロにするとかもうやりたくない。
次やるときは平原でぶっ放す。
だが、いいことばかりこの世の中は続かないと、ボクは思い知った。
この世の人間は、もう、信用しない。
この世界は、私の敵だ
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