第1話 時を渡ったサイヤ人
きっと悟空は純粋にそう思っているのだろう、そして自分はピッコロ大魔王が復活したときに親友を殺されてしまった。手も足も出ずに自分もピッコロ大魔王の配下に殺されかけた、敵を射ちたいのに力不足で何もできなかった気持ちは自分も痛いほど分かる。だからこそラカノンの力になりたいと思った。
「オラも昔に親友を殺されちまったことがあってよ、そのときなにも出来なかったんだ。だからラカノンの気持ちは分かる、オラはラカノンの力になりてぇ!」
「悟空・・・お前って奴は・・・!」
「だからよ、チチ。すまねぇと思っている、だけどラカノンの力になるのはダメか・・・?」
チチは悩んでしまう、悟空の過去はある程度聞いてはいたが親友であるクリリンが殺されてしまった時は本当に悲しそうにしていた。あの時の夫の顔はきっと忘れることは出来ないだろう。
「いや、いいんだ悟空。ここでお前の考えに乗ってしまうとお前にもチチさんにも迷惑が掛かってしまう。それに俺はこの星の人間じゃないからな、同じサイヤ人の同胞とはいえ申し訳ないよ」
「あ・・・」
自分が悩んでいる間にラカノンは行ってしまう、ここで彼を止めなければきっと、二度と会うことは出来なくなるだろう。そう直感することが出来てしまった。
「待つだラカノンさん!」
「どうしたんだ?チチさん」
チチは意を決して話始める。
「正直オラはもう悟空さに死んでしまうような事はしてほしくねぇ」
「チチ・・・」
「だけんど!折角悟空さと同じ人間と会うことが出来たんだぞ?しかも故郷の惑星は消滅して同じ人間と会うのも出来ねぇかもしんねぇんだぞ?!」
「チチさん・・・」
「オラはそんな薄情な人間じゃねぇ、だから一緒にフリーザをぶっ飛ばすだぞ!!!」
チチはニコっと笑って二人を見る。そんなチチの姿を見てラカノンと悟空はほっと胸を撫で下ろす。
「そっか・・・そうだよな!俺と悟空は数少ない同じサイヤ人だもんな!!!」
「そうだぞラカノン!オラとラカノンは同じサイヤ人だ!」
「うんうん!男は元気なくらいが一番だ!!!」
「よーし見てろよフリーザの野郎!!!」
「オラ達でぜってぇぶっ倒してやるかんな!!!」
2人のサイヤ人は改めて決意を固める、1人は敵を射つ、もう1人は自分の友人を助けるために。絶対に勝つと気合いを高めて鍛え始めることにした
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