ハーメルン
奏でることを忘れた少年
女子もバンドをやる時代


月日は過ぎ、早いものでもう4月も終わりである。

待ちに待ったゴールデンウィークという
やつ…なのだが…



「はぁーっ…」

素直に喜ばれへんわ。

確実に襲いかかってくるであろう五月病。

中間テスト。極めつけは文化祭。

連休明けはすなわち地獄の幕開けなのである。

夏休みまでがくそ遠い。

クラスの連中は呑気なものでゴールデン
ウィークの予定を言いあったりしている。

いいね、キミたちは予定があって…
俺は予定もないしお金もないよ。

バイトはする気になれないし、接客とか
イヤだし。

「星川は何か予定あるの?」

そらきた。

「俺ー?ないよ。」

「だよね、家でずっと寝てそう。」

失礼だなキミは…図星だわ。

「お前らはー?」

「私達はRoseliaの主催ライブに行くんだ!」

「ライブ?Roseliaってなんだ?」

どっかで聞いたことある気がするが…

「えっ、知らないの!?」

「知らん。」

「宇田川さんが所属してるバンドだよ!すっごい人気があって今度ライブを主催するの。」

えっ、あいつバンド組んでるの?

ってかバンド?

「あいつすげーな…女子でバンドってなかなかハードル高くね?」

「知らないの?今は女子もバンドをやる
時代なんだよ?」

「ほーん、そうなんか。」

楽器やらバンドってのは男っていう
イメージが先行してたから…ちょっと意外だな。

「大ガールズバンド時代って言われてるよね?」

なんじゃそら…大航海時代みたいになっとるやんけ。

「お前らは?楽器やったりしてんの?」

「私達はやってないけど…このクラスにも結構いるよ。楽器やってる子。」

「へー。」

主催ライブねぇ…わざわざゴールデンウィークにご苦労なことで。

いずれにせよ俺には関係のない話だ。

勝手に盛り上がっといてくれよな。




「優、優!起きてってば!」

微睡みの中誰かの声がする。

もうちょい寝かしてくれ。

「あれぇ、戸山じゃん…どしたん?」

「もう…とっくに下校時刻だよ?」

「あぁ、そうだった…帰ろうとしたら力尽きたんだった…」

「起こしたから、私達ももう帰るよ。」

「おぉ…」

ってよく見りゃ朝日もいるやんか。

結構一緒にいるの見るけど仲いいんだな。

「じゃー俺も帰るかね。」

「宿題、忘れないようにね。」

「わかってるって…誰に言ってんだよ。」

「この前も怒られてたじゃん…」

「そうだっけ…てか、量エグくね?」

「無理なくやればできる量だと思うよ。」

まさか、宿題があるとはな…とんだ大誤算である。

クラスの連中、殆どが遊びに行く言うとったけど大丈夫なんか?

特に宇田川とか。そういやライブやるとか言ってたっけ。

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