バッタ討伐とフリーの傭兵 1-2
「純美雨。ななかとは、盟約のもとチーム組んでるネ」
「ボクは志伸あきら! ななかとは、なんていうか……ひとつの目標のために手を取り合った同志ってとこかな!」
「……ですっ!」
ふむ。私達みたいに、仲良し同士で組んだわけじゃないって事ね。でもまあ、よそよそしい感じはしないし、結成当初はどうだったか知らないけど、少なくとも今は十分な信頼関係を築けてるようね。
「カトレアよ。私達は友人同士ね」
「雷電燈湖、格闘家だ」
「春名このみです! かこちゃんとは、同じお花好き同士のお友達です!」
かこから聞いて知っているだろうけど、一応揃ってだと初対面だから挨拶返しをする。
「ご丁寧にありがとうございます。先程も言いましたが、あなた達の話はかこさんから伺っていました。特に、カトレアさんと燈湖さんは、契約して間もないのに魔女を一撃で屠れる程の実力者だとか」
「まあそうね。魔女の強さ次第だしこのみのサポートがあってこそだけど、魔力の消費を気にしなければだいたい一撃で倒せてるわ」
「えへへ……私、役に立ってるんだ……」
「当然でしょ?」
「今んとこ、アタシらが苦戦した魔女はほぼいねぇな」
「さすが燈湖さん! 魔法少女になってボクの方が強くなったかもって思ってたけど、これはすでに追い抜かれてるかな!」
「あきらが自分の方が弱い認めるの、珍しいネ」
「ボク、燈湖さんの圧倒的な強さを尊敬してるんだ! 燈湖さんになら、魔法少女になったボクの手加減なしをぶつけられるって思えるくらいにはね!」
「ホウ……魔法少女になる前でそれほどカ……」
メイユイが、興味深げにトウコを見据える。ああ、多分この娘デンドロビウムと似たタイプだ。自己鍛錬大好き人間の目だわ。
「お二人とも凄いんですよっ! カトレアさんは大きな火球でどんな相手でも焼き尽くしちゃいますし、燈湖さんも、拳でどんな相手でも叩き潰しちゃうんですっ!」
「かこさんのこんなに興奮する様子も、なかなかに珍しいですね」
「あらぁ、2人とも無調整でもそんなに強いのねぇ! 調整するのが楽しみだわ〜」
それにしても、4人増えたから一気に賑やかになったわね。この雰囲気は嫌いじゃないけど、少し長くなりそうね。
あきら含めて半分が顔見知りだったのもあって、雑談は30分以上は続いた。
「……と、つい話し込んでしまいましたが。実のところ、加戸希愛さんと雷電燈湖さんには、近い内にコンタクトを取ろうと思っていたんです」
「へぇ、そうかい」
「こうして偶然巡り会えたとなると、縁があるのかもしれませんね。もし――」
「待った」
和やかな雰囲気で続く会話に、トウコが突然待ったをかける。
「頼み事自体は構わねぇが、お互いこの場に集った理由は別だろ。つい雑談しちまったが、続きは本来の目的を果たしてからにしようぜ」
「……それもそうですね」
2人はそう言って笑顔で頷き合い、みたまを見る。そういえばトウコ、調整してもらう直前だったわね。
それはともかく。
《トキワななか……なかなかに強かな娘ね》
《ですね》
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