ほむら編その1
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「また、救えなかった……」
もはやここが実家なのでは無いかと錯覚してしまう程見慣れた天井を見ながら、私、暁美ほむらは目を覚ました
もう、すっかり涙は枯れ果ててはいるが、まどかの最期の姿は瞼の裏にくっきりと焼き付いて離れない、
今回のまどかの最期の言葉を反芻していると、喉の奥から熱く不快な物がこみ上げてくる
ゴミ箱の前まで移動し、中身の無い胃液を吐き出す
何度も何度も幾度となく経験してきたこの時間遡行だが、やっぱりまどかを救えなかったこの感覚は慣れたもんじゃあ無い
私は沢山のまどかを見殺しにしてきた、沢山のまどかを殺してきた、
私が戻れば戻る分、まどかは死んでいる
私がまどかを救うなんて、おこがましいのでは無いか
こんなにも血で穢れてしまった腕で、まどかは笑ってくれるのだろうか
少し、弱音を吐いただけで今までソレを溜め込んでいた堰は決壊し、自己嫌悪が体中を焼き尽くす
これは必要な事だ
そもそも時間遡行など本来はあり得ない
そんな物を扱っている以上、その罪は常に忘れてはいけない
私のワガママで振り回してしまった数多の世界、数え切れぬ程のまどかを忘れてはいけない
これは私の咎だから
だからといって、いつまでもくよくよしては居られない
こうやって吐いている間にもこの世界のタイムリミットは迫っている
だから、私は心を切り替える、
胃液が垂れる口元を拭い、間延びした独特のイントネーションでこの言葉を口にする
「はーい、よーいスタート
魔法少女の運命その他諸々からまどかを救うRTAはーじまーるよー」
それは、始まりの合図、
かつて、こことは違う時間軸の、死んでしまった「鹿目まどか」との思い出……
Part.1/X 「強くてニューゲーム」
さて、いつもの儀式が終了したあとは、パッパと行動していくわよ
マイナスの感情は最初に出来るだけ出し切る、その後もスキを見て適度に吐き出しておかないとあっという間にソウルジェムが濁ってしまいますので気をつけましょう(0敗)
まずは魔力を使って視力を矯正、着替える時間ももったいないので魔法少女姿に変身して病院の窓から抜け出す
いつも通りに自衛隊の詰め所に潜入、
私の固有魔法「時間停止」を使ってハンドガンにサブマシンガン、ショットガンや狙撃銃等の銃火器をわんさか拝借する
地対空ミサイルやC4と呼ばれるプラスチック爆弾、手榴弾や閃光手榴弾、発煙手榴弾などの便利グッズ以外にも、戦車や軍用ヘリコプター等の乗り物系もお借りして、ムリヤリ盾の中の拡張空間に入れる
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