ハーメルン
無職転生 アイシャAfter
アイシャAfter④任務~アルスの血筋

ミリス大陸大森林。
ちょうど人族と獣族の領域の狭間の地域。
街道からは少し離れた森の奥。

「誰か助けてーっ!」

悲鳴が響いた。

悲鳴を上げたのは獣族の少女だ。
獣族らしく薄手の服をまとっているが、破かれたのか無残に半裸となっている。
豊満な体があられもなくむき出しだ。

「へへっ。こんなところで悲鳴を上げたところで誰も来ねえよ」

いやらしい声をかけたのは人族の中年だった。
ひとりではない。
10人ほどで少女を取り囲んでいる。
手には武器。

彼らはこの辺りを根城にする盗賊団だ。
通りすがりの旅人を襲う。
迷い込んだ者がいればさらう。

今日はたまたま彼らの根城にこの獣族の少女が迷い込んだことをいいことに、凌辱した挙句に売り飛ばそうとしているのだ。

「獣族ってのは今頃発情期なんだろ? 俺たちが満足させてやろうってんだ」

にやにやと下卑た笑みを浮かべ、リーダー格の男が少女に手を伸ばした。

「誰が……あんたたちなんかにっ」

少女は必死で手を払いのける。
しかし背後にいる男たちが手に手に武器を持っているという事実が、少女の身をすくませる。

「なぁに、お互い気持ちよくなろうってんだ、悪い話じゃ……」


「待てっ!!」


誰も来るはずのない森の奥。
そのはずなのに鋭い声が走った。

少女も、リーダー格の男も、背後の手下たちも。
声のした方に顔を向ける。

そこには、ひとりの青年が立っていた。
軽装な皮鎧。
腰には1本の剣。
しかしなにより目立つのは燃えるかのごとく真っ赤な髪だ。

「何だぁ、てめえは」
「その子の知り合いではないが、こっちも仕事でね」
「あん?」

盗賊団をつぶす仕事か? それならば騎士団の仕事だ。
こんな若造ひとりで来るはずがない。

こっちは10人もいるのだ。
職業柄荒事ばかりをしてきた10人。
目の前にいる若造ひとりどうとでもなる。

襲われている少女もそう思っているのか、助けが来たというのに動くことができない。

「おい、さっさとやっちまえ!」

リーダー格の男の指示で、数人が武器を手に近寄る。

「へへっ、余計なちょっかいを出してこなければ、がっ!?」

近寄った男は最後まで言い切ることは出来なかった。
赤髪の青年の右手が掻き消えたかと思うと、男の顔が弾け飛ぶように上に跳ね上がった。
顎に一発のアッパーカット。
一撃で男は失神した。

「てめえ!!」

周囲の男たちが色めき立つ。
武器を構えると赤髪の青年に殺到する。

そこから一方的な殺戮が始まった。


‐‐‐


赤髪の青年の姿が掻き消えたかと思うと、数メートル離れたところに出現した。
瞬間移動と見まごう速度で移動したのだ。
すでに剣を抜き放ち構えている。

剣を振った。

男たちのひとりが血しぶきを上げて倒れる。

剣を振り切った体制のまま赤髪の青年は別の男に凄まじい速度で体当たりをした。
男は数メートル吹き飛ばされ近くの樹に叩きつけられた。

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