アイシャAfter④任務~アルスの血筋
言うが早いが、アルスは横にいる豊満な胸の女性を抱っこすると、すごい速度で去っていった。
急展開すぎる。
少女は理解が追い付かないまま、どうやらお礼を受け取ってもらう機会を失ったことを悟った。
九死に一生を得たにもかかわらず、何だか損をしたような気分でその場を立ち去り、自らの部族のもとへ帰るのだった。
‐‐‐
「アイシャ姉、こわかったよー!」
もう十分離れたところで、アルスはアイシャを降ろすと、いきなりアイシャの胸に顔をうずめて泣き出した。
「ええ? 10人くらい、アルス君全然問題にならないでしょ」
「そうじゃなくて、さっきの子」
「うん。アルス君に抱き着いていた子ね」
「あの子のおっぱいと、ケモミミを見たら、体が勝手に抱きしめようとしちゃったんだ……」
「あー……」
小さいころからおっぱいと獣耳に目がなかった、幼いアルスの姿を思い出すアイシャ。
「俺浮気なんかしたくない! 好きなのはアイシャ姉だけなんだよー!」
「よしよし」
泣きじゃくるアルスの頭を撫でるアイシャ。
今回のオルステッドの任務は少女を先ほどの盗賊団から救うことだ。
あの少女はある部族の長の家系である。
今回救われなかった場合、少女は命こそ失わないが人族への激しい恨みを抱くことになり、後に部族丸ごと反人族の急先鋒となる。
それを防いだ場合は部族は他の部族と共に人族と共存する道を選ぶこととなる。
それはラプラス戦争において大きな要因となるわけではないが、ひとつひとつを積み重ねることによって、少しでも戦争の情勢が変化するという見通しだったのだ。
ちなみにアイシャは今回、近くのルード傭兵団の視察という名目でついてきた。
単にアルスと一緒にいたかったからだが、今回それが功を奏したようだ。
「アイシャ姉のおっぱいが世界で一番なんだよー!」
まだ泣いているアルスの顔をおっぱいにうずめてやりながら、アイシャは考える。
――巨乳おっぱいとケモミミが登場しない任務って、選べるのかなぁ?
後日。
ルーデウスはオルステッドから「アルスの任務について相談なんだが、……巨乳というのはどれくらいからだ」と聞かれ、絶句するのであった。
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