ハーメルン
無職転生 アイシャAfter
アイシャAfter⑤寝物語

もぞもぞ。

「あ、ごめんアルス君。起こしちゃった? ルロイ君が布団蹴っ飛ばしちゃってたから直してた」

「やだなぁ、いなくなったりしないよ」

「そう。あたしがアスラ王国に行っている時のこと思い出しちゃったんだ」

「うん。アスラ王国にいる時はあたしも寂しかったし、ずっとこうして、隣にアルス君がいたらなぁ、って思ってたよ」

「ほらほら、おっぱいでぎゅーっとしてあげるから安心して」

ぎゅーっ。

「やんっ、こら、なめちゃダメ」

「だーめ。明日も任務でしょ? 寝不足で行ったらケガしちゃうよ」

「そりゃさ、治療魔術もあるけど。でも油断したらダメだよ? 治しきれないケガだってあるし。最悪死ぬことだってあるでしょ?」

「わかったらよろしい。……あたしやルロイ君を置いて死んだりしたら許さないんだから」

ちゅ。

「……えへへ。ちゅーって気持ちいいよね」

「うん。あたしも最近のちゅーが一番気持ちいいかな。なんでだろうね。最初の頃はみんなに見つからないようにしてたし、ふたりで逃げてる時はゆっくり感じる余裕がなかったからかな」

「アスラ王国だとね、人に隠れてこっそりしたりするのが気持ちいいって話している人もいたんだ。背徳感とか言って」

「あたしにはわからないなぁ。だって、今が一番幸せだもん」

「アルス君も? えへへ、一緒だね」

「……ホントに。あたしが結婚して、こんなに幸せになるなんて。信じられないよ」

「ノルン姉がルイジェルドさんと結婚する時にさ、あたし、よくわからなかったんだ。人を好きになって、その人と結婚して、幸せになるって」

「うん。お兄ちゃんのことはずっと好きって思ってたよ。でも今考えると、今アルス君に感じてる好きとは全然違ったみたい」

「お兄ちゃんに対しては、そうだなぁ、家族としての一番上というか、『この人の言うことを守っていれば幸せでいれる』って感じ?」

「うん。言葉にするとなんか難しいね」

「アルス君にはね、『絶対アルス君を幸せにする。それで絶対あたしも幸せになる』って感じかなぁ」

「お兄ちゃんはずっとあたし達を守ってくれてた。アルス君もあたしとルロイ君を守ってくれると思っているけど、あたしもアルス君とルロイ君を守んなきゃ、って思ってる」

「違うよ。そりゃお兄ちゃんのほうがアルス君よりずっと強いけど、そこを比べているじゃないの」

「……あたしはねぇ。お兄ちゃんといる時はお兄ちゃんに何かしてあげたい、って感情がなかったんだ」

「うん。メイドとして仕えることはしてたよ。家事やったり」

「でもそれはお兄ちゃんが好きだからじゃなくて、メイドだからやるのが当たり前だと思ってたの」

「やらなかったらお兄ちゃんのそばにいる権利がないと思ってたんだね」

「アルス君に対しては違う。あたしはアルス君が好き。それが一番最初にある。アルス君のためならなんだってしてあげたい。あたしのやることでアルス君に喜んでもらいたい」

ちゅ。

「これだって、あたしが気持ちいいってのもあるけど、それでアルス君が気持ちよさそうにしてくれるのもあたしは気持ちいいの」


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