夏油傑の受難
ホモが空から降ってきた。
その股間は既に臨戦態勢であり、青いつなぎの上からもその大きさが伺える。まるで木刀のようなそれを背後からぶち込まれたら、数か月はオムツのお世話になるには待ったなしだ。
分身した阿部高和は5体。3体が五条悟、夏油傑、伏黒甚爾の元に向かい、残り2体は高専を蹂躙していた。高専の至る所から「アーッ」という断末魔が聞こえる。
「特級呪霊と手を組んで同時襲撃だと!?」
「ふざけるな!」
星奬体の護衛任務中である五条悟と夏油傑からしたらたまったものではない。実際はただの偶然であるが、当の伏黒甚爾は逃亡しようとして回り込まれており、尻を庇うのに必死のため、弁明ができない。
「傑!二人を連れて逃げろ!お前の方が早い」
事実、呪霊操術を使える夏油傑の方が護衛対象である2人を連れて逃げるには適している。
「落ち着きなって、兄ちゃん達。そこのお嬢さん二人には俺は何もしないし、できない」
静かな、落ち着いた口調で特級呪霊 阿部高和が口を開いた。
「俺の『縛り』でね。いかなる状況においても俺は女性を傷つけることができない。誰の命も奪うこともできない。その代わり、俺の股間はどんな術式でも、呪具でも貫通することができるし、やろうと思えば相手の術式を奪うことができる」
つまり、五条悟の無敵の防御である『無限』を無効化し、貫通、その術式を奪うことができることを意味する。
「だから、落ち着いて、俺とやらないか?」
「お断りだね」
その宣言と共に五条悟の術式反転【赫】が炸裂し、ろうそくをかき消すように無効化された。
だが、五条悟の攻撃はそこで終わらない。
「少し潰れてろ」
術式順転【蒼】が周辺の木々、ブロック塀を引き寄せ雹のように上空から阿部を襲い、僅かながら足止めに成功する。
「全呪霊開放!襲え!」
そこに夏油傑が呪霊操術で操作できるだけの呪霊全てをぶつける。護衛対象に危害が加えられないことが事実ならばここで集団戦で少しでも消耗させた方が有利と判断、自身が保有するすべての呪霊をぶつけた。
「へえ、いいじゃないの」
次々と襲う呪霊は一体一体丁重に掘られていく、その股間の剛直は折れることなく、天を貫かんばかりにそびえ立っている
「こ、攻撃が完全に無効化されている。悟、どうにかならないか」
「できるならとっくにやっているよ!」
「ごもっともだ」
夏油傑が使役している呪霊が尽きれば次は自分たちの番だということを本能的に2人は理解していた。
「長髪!後ろだ!」
器用に逃げ回っていた伏黒甚爾の忠告が校庭に響いた。悪寒を感じた夏油傑が振り向くといつの間にか別の分身が自分の尻に狙いを定めていた。
夏油傑には物事が全てコマ送りのように見えていた。恐ろしく太い剛直が自分の尻に迫っている。
避けられない。
尻に生暖かい感触を感じる。
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