異端審問の執行者
開拓団の副団長をデンドロ時間にして一ヶ月で育成し終えた俺は龍都でやり残した事を終わらせて行く事にした。
秘密の賭博場のオーナーに【詐欺王】の返信の手紙を渡し、クエストを終了させた。
「ご苦労様。詐称系超級職を。ジョブスキルも無しに。大変な仕事。でも見込み通り。センススキルあるよ。多分《共振覚》。」
《共振感》とは自身に近しい存在を感覚的に察知する同族意識的なセンススキルなのだという。俺の場合だと賭博好きなんかを感覚的に察知する様だ。このスキルはジョブスキルで習得できる《審獣眼》のようなセンススキルでもなく、個人の資質のみなのでレアらしい。
「同族に惹かれ合う。或いは反発を起こす。その時五感じゃ無い感覚が鋭くなる。大まかに。潜在的感覚向上。確かにあると伝わってる。けどステータスに表示されない。から詳しい事誰も知らない。」
俺にそんな才能が・・・?でも使う機会限定的過ぎない?賭博好きて。そりゃあ当然賭博場に居たらわかんでしょ。
しかもステータスに表示されない潜在的感覚って。デンドロがファンタジーといっても、いきなりポンと渡されても使い方あやふやで困る奴じゃんね。
餞別に【塞翁の虹運賽子】を貰った。1日一回限定でLUCのステータスを数千ぐらいランダムで上下させる、かなりのレアアイテムだ。しかしながら曰く付きであり、LUCが低い者がマイナスまで振り切れた時、必ず死亡するという事故を起こす。
呪いのアイテムと違ってマイナスのステータスで何が起こるか分からない為、周囲に与える影響を考慮して禁制品に指定されたアイテムの類である。
まぁマスターは死んでも生き返るんですけどね。暇になったら人が居ないところで転がしてみようか。きっと刺激的な1日になるに違いない。
懲りずに【龍帝】を性転換させようとしてムショに叩き込まれた【拳姫】に面会しに行く。
当然【拳姫】は超級職の収監者なので特別VIP対応だ。ステータスを下げる状態異常に呪いの装備群を付けられている。
「あの【龍帝】がいつも被っているお面、あるだろう。」
あぁ。なんか鑑定とか看破をすごい弾くお面か。
「私はあのお面の下に美少年の顔があるに違いないと見ているんだ。感覚がそう言っているんだよ。あれは逸材だってね。」
だから襲い掛かったんか。お前も良くもまあ、【契約書】で襲撃を禁止されねぇよな。
「彼は何処か寂しそうなんだ。同じ超級職の強さを持つ者にしか触れるのを躊躇っている。」
俺には良くわからんが、戯れ合いの範疇内として本人が許容してるって事か?
「きっとそうだろうね。当面の目標はお面を奪い取る事かな。もっと鍛えないと。技量は完全に上回っているんだが、フィジカルの差が厳しいんだ。本人も規格外のフィジカルを使いこなす事はできている事だし。」
TSさせる前の顔を見てから性転換させなければ興奮しないからか。変態め。
いい話風になっていたが、変態の要素が混じると難易度MAXの変態行為に挑むドMにしか見えないんだよ。
【契約書】で縛ったジーエンとディナーを楽しむ。ジーエンはいつの間にか知らないうちにサインしていた事を知って凄いジト目を披露していたが、ドッキリ大成功なようで何より。
女体化して中性的な超美女に変身したジーエンは俺のドストライク真ん中だ。
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