ハーメルン
「君の名は。キルヒアイス」歴史の真実と芯の世界
女の生理、ベーネミュンデ、核戦争


 
 
 キルヒアイスは三葉の部屋で起き上がろうとして、経験したことのない体調不良でよろめいて手をついた。
「うぅ……」
 下腹部が痛いし、頭痛もあって頭に重さを感じる。めまいもするし軽い吐き気もあった。
「風邪……それとも下痢……」
 そして気持ちが憂鬱で、何もしたくないくらい身体がダルい、このまま起きないで寝ていたいという強烈な誘惑もある。それでも風邪のような高熱がでているわけではなく、行こうと思えば学校に行けそうなほどの体調の悪さで、判断に迷う。
「……ふぅ……ふぅ…」
 なんとか立ち上がると、よりいっそう身体が重い。
「……これは…いったい……」
 鏡を見ると、それほど顔色が悪いわけでもないけれど明らかに、いつもの三葉の身体ではなかった。手紙が置いてある。
 
 四葉の言うとおりにして過ごして。
 
 それだけが書いてある。まるで三葉も思考力がないような様子で妹に丸投げされていた。
「……とにかく……着替えを…」
 よろよろと着替える。目を閉じるとバランスを崩してしまいそうなのでイスに座ってから着替えようとして三葉のお尻がイスに接すると、言いようのない気持ち悪さが股間にあった。
「っ………」
「お姉様、起きてる?」
 四葉が入ってきた。
「あ、イスに座っちゃダメだよ。こっちに寝て」
「は…はい…」
 言われるとおり、再び布団に寝た。
「つらいよね。お姉ちゃんは重い方らしいから毎月大変そうだから、たぶん同じだと思うよ。むしろ初体験な分、よりつらいかも」
「この体調の悪さは………何かの持病なのですか?」
「ううん、健康な証拠だよ」
「では、なぜ、これほどに身体が……」
「月経だよ。知らない?」
「……月経……」
 言われて、ようやく三葉の身体に何が起こっているのか、理解した。軍事教育がメインの幼年学校では、あまり習わない知識で姉妹もいないし、ほんのわずかに一般教養の授業で習った気がする程度で、ラインハルトとも、そういったことは話題にしなかった。むしろ、10歳の頃にアンネローゼを後宮に奪われてから、そういった方面の話は二人とも無意識的に避け、拒絶してさえいた。
「これから必要な物を交換するから、私の言うとおりにして」
「……は……はい…」
「足を肩幅に開いて、膝を立てて」
「…はい…」
「じゃあ、この後は目隠ししてイヤホンで音楽もかけてから作業するから、自分の下半身に起こってることは意識しないようにしてあげて。でも、私が膝を軽く叩いたら、腰を5センチくらい持ち上げて。それ以外は終了するまで何もしないようにしていて」
「………わかりました。お手数をおかけするようで、すみません」
 三葉の両膝が恐る恐る立てられ、少しだけ脚を開いた。
「もう少し、脚を開いておいて」
「…はい…」
「うん。じゃあ、まず目隠しをするね。目を開けないとは思うけど、お姉ちゃんを安心させるためだから、わかってあげて」
「…はい、お願いいたします…」
 三葉の瞳が閉じられると、四葉はハンカチを細長く折ったものを目の上に置いて、さらに三葉の髪紐を後頭部へ回してから縛った。
「じゃあ、次にイヤホンで音楽をかけるけど、何か好きな曲とかありますか? できれば2013年以前に存在している曲で」
「……はい……では…ワーグナーをお願いします…」

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