救出任務
ある所に地球から遠く離れたとある小さな惑星があった。
情報によると数年前に地球人が小惑星の住人によって連れ去られたとのことだった。
自分と隊長に課せられた任務は地球人の救出、及び状況次第では交戦もやむを得ないというものである。
自分は緊張や不安を抱えながらも宇宙服を身に纏い宇宙船が到着するのを待つ。
隊員「連れ去られた地球人はどうなっているんでしょう?」
隊長「さあな…もう数年経過している事を考えれば、生存すらも怪しい所ではある」
隊長は40代でとても大人びている自分にとって憧れの存在だ。
隊長「しかしお前はまだ20代だというのに駆り出されるとはな」
隊員「隊長!今回は自分もやれるってところを見せてやりますよ!」
隊長「ふっ、あまり力を入れすぎるなよ。最悪の場合戦闘になるかもしれんからな」
隊員「分かってますよ!」
隊長は普段からあまり表情を変えない。自分も少しは見習うべきだろうか…?
隊長「そろそろ着くぞ、準備しろ」
隊員「はい!」
ーーーーー
目的の小惑星に到着した。
自分と隊長はそこで見える光景に唖然としていた。
隊員「隊長…この惑星はここまで文明が発展していたのですか…?」
隊長「私も始めてみるが…今の地球とさほど変わり無いように見えるな」
小惑星に降りてすぐ目につくのは地球の都心部に引けを取らない文明の発展度合いであった。
ビル群に道路を走る車に似た乗り物、そして何より昼か夜かも分からないほどに光に溢れている光景となっていた。
隊員「この惑星って地球に比べたら太陽からだいぶ遠いのに、この明るさって…?」
隊長「住人の知能が発達しているのか…いや、それにしても不可解な点がある」
隊長は目の前の光景について何か引っ掛かっているようだ。
隊員「それはいったい…?」
隊長「これだけのビルを賄う電気、車の動力、昼かと思えるくらいの光量…この膨大なエネルギーはどこから来ている?」
隊員「確かに…」
地球では石油や森林等のような資源を消費しているからこそ文化が進化を遂げていけている。しかしこの惑星にはそんな大量の資源があるとは思えない。
隊長「怪しいな…ここの住人に気づかれぬよう詳しく調べてみよう」
隊員「は、はい」
ーーーーー
上陸後数時間の調査を続けた結果、進展があった。
隊員「隊長、町外れに隠れた地下通路がありました!」
隊長「よし、向かうぞ」
……
隊員「嫌に暗いですね…しかも通路が長いです」
隊長「そうだな、はぐれるなよ」
隊員「子供じゃあるまいし、大丈夫ですよ」
そして2人は大部屋に着いた。
隊員「た、隊長…何ですかこれは…?」
隊長「これは…?何かの装置のようだが…」
地球人よりも少し大きなガラス容器、その中には人間の臓器の様なドロドロとした赤いものが詰め込まれていた。
隊員「うっ…なんだこりゃ…」
隊長「あまり見ていて気持ちの良いものでは無いな…」
あまり見たくないが、この装置が何かを調べるために慎重に見回る。
そこで気づいた、気づいてしまった。
その中に地球人の背中が見えていることに。
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