ハーメルン
型月転生
第7話・教会の戦闘

 一夜明けて朝になった。
 それだけ言うと何かと意味深だが、別に何にもない。お風呂上がりのキャスターと鉢合わせて程よく赤みがさした肌とかしっとりと濡れた髪とかを見て詰みそうになったが、俺は魔術師である。
 いかなる時も冷静沈着に行動することが求められるのだ。

 てことで、別段戦闘もなかった。
 昨日戦闘を仕掛ける気もないし、やるなら今日だよな。

「マスター、なにやら教会が騒がしいわよ?」
「ん? ……あぁ、マスターの召集か。使い捨ての使い魔でも差し向けるよ。
 一応キャスターも見ててくれ」
「ええ」
「ところで、魔力はどのくらいだ?」
「やっぱり昼の間に全力戦闘は厳しいわね。下手すれば空間転移にすら支障が出るわ」
「そうか……うーん……」
「一応、令呪を純粋魔力に変えれば発動可能よ? その際、他の陣営よりは少ない魔力で発動させられるから魔力に余裕が出来るわ。でもそれをしない場合、戦闘を除いて空間転移は2回までね」
「六画もあるからな、使い時には惜しまずに投入していこうか」
「そうね。賢明な判断だと思うわよ」

 適当な鳥に魔術をかけて教会に向けて飛ばす。
 先ほど教会が召集したと言ったが、正確には監督役である。聖堂教会はそこまで関わっていない。
 見過ごせないだけだ。
 
 まぁそんなことはどうでもいい。
 つまり、言峰璃正には同じ教会からの監視はほぼ皆無。かなり自由な裁量権を与えられていることになる。

 そのため、教会の教義には完全一致しているとはいえ、遠坂時臣に肩入れするとかいう暴挙をやらかしている。
 それは問題ない。俺たちは、それを逆手にとってやるだけだ。

 使い魔が飛ぶ。召集時間まではかなりあるが、事前に飛ばしておくのもいいだろう。
 少なくとも、無駄にはならない。

「マスター、紅茶を淹れたわよ」
「ん、サンキュー」

 思わず見惚れるような笑みを浮かべながら、俺の前にカップを用意したキャスター。
 細かな分量を気にする仕草は乙女のようで、しかし全身からは大人の色香が漂っている。
 少女性と淑女性の融合かなーと呑気に考えていると、普通に紅茶が入った。

「───……」
「マスター、どうしたの?」

 そうして頸を傾げているキャスターはどちらかと言えば、可愛い方だ。
 王族だったので普通に風格的なのも無くはないものの、よくわからない属性で塗りつぶされている。

「強いて言うなら、見惚れてた……かな?」
「ふふっ綺麗でしょう?」
「あー……うん。綺麗だね」

 いやだから綺麗というよりは可愛い方だって。なんかね、背伸びしてる感じがどうも保護欲を唆るというか……良くない良くない。

「それで……どう?」
「満点。最高だよ」
「なら、嬉しいわ」

 笑うキャスターを見て眼福だなぁとか思いながら、俺は近き決戦に想いを馳せる。
 遠坂時臣、衛宮切嗣。この二人は確実に俺の敵として立ちふさがるだろう。言峰や切嗣といった戦闘者よりも、魔術師である時臣はまだいい。
 太極拳を学んでいても、それは璃正と同じで業を積み上げているだけ。殺人拳として習得しているわけでは無い。

 彼の属性が火のみというのもやりやすい。

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析