NARUTO 第十一話
木ノ葉の里のある一室に複数人の忍が集まっていた。
その面子は三代目火影を中心としてそうそうたる物で、木ノ葉のご意見番である水戸門ホムラとうたたねコハル。暗部の中の一部隊『根』の主任である志村ダンゾウ。二代目三忍の一人自来也。火影の右腕うちはシスイに左腕日向ヒザシ。日向の長である日向ヒアシにうちはの長であるうちはフガク。木ノ葉有数の上忍であるはたけカカシにうちはオビトとマイト・ガイにうちはイタチ。
以上の十三人と後一人が一室に揃っていた。この十三人がその気になれば彼らだけで幾つかの国を落とす事も可能だろう。そんな実力者達だ。
そんな実力者達が一人の少女を見つめていた。現在渦中の人物と化してしまった日向アカネである。
「では、説明していただきましょうか」
皆を代表して三代目がアカネへと詰問した。
対するアカネは必殺忍術・かくかくしかじかを放った。
「とまあ、そういうわけでして。一応この事はこのメンバー以外には秘密にしておいてください。外に漏れると厄介事しか呼びませんからね」
アカネの言う事は正しい。転生の秘術などという代物を知れば多くの存在がそれを求めてやってくるだろう。
例え転生の秘術がアカネにしか使えないのだとしてもそんな事は関係ないのだ。欲にまみれた人間は受け入れやすい事柄のみを事実と信じ、受け入れがたい事実は信じないものなのだ。
この場の人間以外にも木ノ葉には信用の置ける上に立場もある忍は多くいる。だが秘密というものは多くの人が共有すればするほど漏れやすくなるものなのだ。であるので少なくとも今はこの十三人のみがアカネの秘密を共有する事となった。
「なんと……ヒヨリ様が転生なされたとは……」
「こうして目の前にしても信じられん……」
相談役のコハルとホムラは三代目の同期の忍だ。幼い頃からヒヨリの存在を良く知っていた人物達だ。
その力も死に様も三代目と同じくこの場の誰よりも知っている。だからこそ誰よりもアカネの存在に驚いていた。
「御二方、信じがたいとは思いますがこれは真実です。それは私が保証いたします」
日向の現当主にそう言われては疑る事も出来はしない。
日向ヒアシという人物が下らない嘘を吐く人物でない事をこの場の全員が良く知っているのだ。
「間違いないぜコハル婆ちゃんホムラ爺ちゃん! このチャクラはヒヨリ様のチャクラだ!」
オビトはその右目の写輪眼で見切るまでもなく自信を持ってそう言えた。
自身の右半身を癒してくれた力強く暖かいチャクラを間違える訳がなかった。
「ワシも保証しよう。この一年間アカネと旅をしてきたが、まあ間違いなくヒヨリ様の転生体よ」
「ワシも疑ってはおらぬ。あの時の初代様と二代目様の反応。そしてチャクラの質と大蛇丸を容易く撃退した強さ。疑い様などある訳がない」
次々とアカネがヒヨリの転生体であると保証する声が上がる事で、この場の全員がアカネを疑う事はなくなった。
「しかし何故それをもっと早くに教えていただけなかったのですか?」
三代目のその言葉にアカネは頬を掻きながら返した。
「いやまあ、転生なんて大っぴらにしたくはありませんでしたしね。それに……教えたらダンゾウとかホムラとかダンゾウとかコハルとかダンゾウとかが絶対に私を有効活用してきそうだったし……」
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