NARUTO 第十二話
アカネとサスケは木ノ葉にある訓練場の一つに来ていた。ここならば大規模な術を使わない限り誰にも迷惑を掛けずに修行をする事が出来るだろう。
そしてアカネはサスケが望む通り雷遁の修行と、その為に必要な雷遁の説明を開始した。
「雷遁は応用力のある性質です。ただ術として敵に放つだけでなく、肉体活性に応用する事も出来ますし、形状変化と組み合わせると非常に効果的です」
「知っている。オレの雷遁は千鳥だからな」
サスケがカカシから習った雷遁は千鳥と呼ばれる術だ。
これはカカシのオリジナルの術であり、今やカカシの代名詞となる程有名な術でもある。
その正体は電撃を帯びた突きだ。言葉にすれば簡単だが、実際はそれ程簡単な術ではない。
雷遁による電撃を片手に集め、肉体活性による高速移動を用いて対象を貫く。単純だが威力の高い一撃だ。
その分リスクも高い。あまりに高速で動く為に使用者自体の反応が追いつかない事があるのだ。その場合敵にカウンターを合わせられると目も当てられない惨状になるだろう。
写輪眼の様な洞察眼に優れた眼を持っている者や、瞳術でなくても反射神経に優れた者でないと危険性が高い術である。
更にこの術は性質変化だけでなく形態変化も加えられている術だ。
放電している様に見えるのは雷だからではなく、放電している様に形態を変化させる事で攻撃の威力と範囲を変化させているのだ。
まあこれくらいの形態変化はそれ程難易度の高い物ではないが。だが形態変化によって様々な可能性を広げる事が出来る術と言えよう。
「千鳥ですか。カカシさんに習っただけはありますね」
この歳で千鳥を会得する。それは十分に天才の証だとアカネもサスケを評価する。
性質変化と形態変化。両方を有する術を持つ忍は上忍でも稀なのだ。
「では千鳥を更に応用する方法は分かりますか?」
「…………別の形態変化か?」
アカネの問題に対して少しだけ熟考してからサスケはその答えを導き出した。
「正解です。さて、例えばどんな形態変化があるでしょうか?」
「そうだな……剣とか槍みたいに伸ばして攻撃範囲を広げるとかだな」
「またまた正解。まあ他にも色々ありますから正解は一つではないですけど。さてさて、千鳥を使えるあなたは形態変化もある程度は修めています。だったら千鳥を剣状にしたり槍状にしたりする事も出来るはずですよ」
サスケはアカネからの言葉により千鳥の可能性を広げる事が出来た。
千鳥をより極めていけばもっと強くなれる。絶対にナルトに追いつかれてたまるか。そんな思いでサスケの修行が始まった。
「はぁ、はぁ! くそ!」
「はい、ストップ。チャクラが少なくなって余計に形態変化が雑になっていますよ。一旦休憩した方がいいですね」
「くっ……!」
サスケの修行は難航していた。と言ってもまだ一日も経ってはいないのだが。
サスケのチャクラ量はまだ十分な物ではない。チャクラは身体エネルギーと精神エネルギーを練り合わせる事でチャクラへと転じる。
そしてチャクラの総量はある程度生まれついての資質が物を言う事が多いが、修行次第で総量を増やす事も可能だ。
今のサスケは修行不足というよりは成長しきっていないだけだ。まだ十三歳の少年なのだから当然の話だ。
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